「算数が得意な人」は、当然のように「計算もできる」。
しかし、「計算ができる人」が、必ずしも「算数が得意」とは限らないのである。
ここは、かなり大事なところだと思っている。
はっきり言えば、計算を速く解けることや、速く解くための訓練が、
そのまま算数力に直結するわけではない。
算数力を伸ばすには、そして「数字に強くなる」には、
ただ計算問題をたくさんこなせばよい、というわけではないのである。
むしろ、ただの計算問題であっても、
それを単純作業として無機質に処理させないことが大切なのだ。
例えば、計算を先取りしている子なら、36×25くらいは難なく計算できるだろう。
ところが、「36円の商品を25個買いました。いくらかかりましたか?」
と聞いた途端に、手が止まってしまう子がいる。
計算としては、まったく同じ36×25であるが、なぜ手が止まるのか。
最初の計算問題に出てきた「36」と「25」が、その子にとっては、ただの記号だからである。
36が25より大きいとか、36円のものを25個買えば、
およそいくらくらいになりそうか?とか、そういう「数のイメージ」がない。
数字を「数」としてではなく、「計算するために置かれた記号」として
見てしまっているのである。
※7×6=42を「シチロクシジュウニ」と呪文のように暗記するだけではなく、
7が6個集まると42になる、というイメージを持てることが大切である。
そして、ここが「計算をたくさんやらせれば、算数が得意になる」
と単純には言えないところでもある。

