昨年、大学進学が決まった卒業生の女子2人が塾に遊びに来てくれたのだが、
その時、(中高時代の)部活で後輩を指導することの難しさを語っていた。
A「最近は、怒ると部活もすぐ辞めちゃうからね。
だから顧問の先生からも、怒らないように!って言われてたよ。」
B「ちょっと怒ったくらいで辞めちゃう子は、どうせダメでしょ!」
A「そうだけど、そうもいかないんだよ。人数がいないといけない部活だから。」
B「そっか!吹(奏楽)部か!」
部活が今の社会(会社)の縮図となっているのがよくわかる。
吹奏楽部の子(A)は、まさに今どきの悩みを抱えているし、
もう一方の子(B)は、若者には今どき珍しく、
ちょっと昭和っぽい(←失礼!)感覚を持っていて、
そうそう、難しいよねぇ!と心の中で思いながら、興味深く聞いてしまった。
塾や学校だって、同じ悩みを抱えている。
塾によっては、生徒を絶対に怒るな(叱るな)というマニュアルがあるという。
辞められたら困るから、SNSにあることないこと書かれたら困るから、
ということらしいが、本当にそれでいいのだろうか。
「先生、もっと厳しく、ビシバシやってください!」と言われることもあるが、
「ウチの子は怒られるとダメなので、怒らないでやってください。」
と言われることもある。
じゃぁ、怒っていい生徒だけを怒ればいいか、というと、そんなことはない。
親はビシバシやって欲しいと望んでいても、子どもがそう望んでいるわけではない。
なのに、特定の子だけを怒れば、怒られた子どもからしたら、
何で自分だけ怒られるんだ?なんであの子は怒られないんだ?
と、不満に思うだろう。
と、今どきこんな書き方をすると、怒り方の問題だろ!とか、
怒るからいけないんだ。叱らないと!とか、諭すんだ!とか、
こういう話になる。流行りのコーチングの話になる。
まぁまぁ、それはそう。そして、そんなことは、この仕事に就いていたら、
いちいち言われなくても百も承知。でも…。
10年度20年度の世の中がどうなっているかわからないけれど、
例えば、人と人が顔を合わせる機会が無くなるとは思えない。
人が話をしている時に、相手の方に顔も向けず、
聞いてるんだか聞いてないんだかわからないような態度でいるのは、
やっぱりよろしくないと思う。
それこそ相手の話に相槌を打っていても、視線はずっとスマホにあって…
今目の前にいる人と、その時間を大切にしないような、
そういう人になってしまうのは良くないと思う。
一つの例でしかないけれど、
幼少期にこういう場面できちんと怒られることは、必要なことだと思う。