ごちそうさま

学生時代、某牛丼店でアルバイトをしている友人から
「スナフキンは、食べ終わった後、ごちそうさまって言ってからお店出てる?」
と、聞かれたことがあった。

「いただきます」や「ごちそうさま」は、
その都度、いちいち考えて発している言葉ではなかったが、
そういえば僕は、どんなお店で食事をしても、
必ず「ごちそうさま」を言ってからお店を出ていることに気がついた。
だから「絶対っていう自信は無いけど、多分言ってると思うよ。なんで?」
と、返事をした。

すると、友人はこう言った。
「それね、毎回意識してちゃんと言った方がいいよ。
働いてる方からすると、言われるのと言われないのとでは、気分が全然違うから。」

牛丼店を利用するお客さんの中に、
店員さんとコミュニケーションをとりたいという人はいないかもしれない。
むしろ、誰とも会話することなく、さっと食事ができるからこそ、
牛丼店に来ている人がほとんどだと思う。
なんで店員さんに気をつかって挨拶?…と感じる人も増えてきていると思う。

でも、働いている方も人間だから、
「ごちそうさま」の一言があるだけで、心がちょっと潤うってことはあると思う。
食べる方も、提供する方も、そのたった一言で和むってこと、あるんじゃないか。

そのくらいの気づかいを、めんどうに思わなくていいんじゃないか。
そのくらいのことを、気づかいに思わなくていいんじゃないか。

友人のアドバイスを、僕は今も意識し続けている。