算数「演習」というスタイル②

年始の御挨拶ブログで紹介した卒業生の話であるが、
彼は、進学した中学で出会った、他塾出身の子と情報交換をする中で、
「サーパスでやっている勉強量はとんでもなく多かった」
「こんなにやっている塾は、他にない」と感じたという。

サーパスはとにかく宿題の少ない塾なので、
僕自身は、その卒業生が感じたようなことを普段意識したことはなかったが、
量が少ないのは宿題だけの話で、塾で扱っている問題量については、
他の塾とはどうやら比べ物にならないらしい。

 

そういえばの話になるが、だいぶ昔、
某大手塾に通っている子の家庭教師を担当していた時のこと。
「今週、塾では何をやったの?」と聞くと、「この問題とこの問題です。」
と、難しめの図形の問題を2問見せられたことがあったが、
彼は、1回の授業で、たった2問しか教わっていないことに対して、
何の疑問も持っていないようだった。
このように、塾という場所は、
難しい問題を先生が解説するところ、解き方を教えるところ
であると思っている人は少なくない。

確かに、算数の応用問題については、親では教えられないとか、
塾で教わってきて欲しいとか、そういうこともあるかもしれないが、
いくらなんでも(2問というのは極端であるとしても)たった数問、
先生が解いてみせただけで、応用問題を解けるようになるなら誰も苦労しない。
ちなみに、その子の通っていた塾では、家庭学習用教材が算数だけで3冊あったが、
そのテキスト3冊分のアウトプットは、各自のヤル気と能力に委ねられていた。

大きなところに通わせていたら、そこの指導が普通であると思い込む。
きっと疑いもしないと思う。
そして実際、この塾のスタイルは、今でも受験業界のマジョリティである。
だけど、そのスタイルで学力の伸びる子は、どのくらいいるだろうか。
扱った問題数が2問でなくて、5問や10問ならいいという話でもない。
料理教室で、先生の作る料理が5品、10品に増えても、
生徒の頭の中がごちゃごちゃになるだけだと思う。

 

みんながみんな、家に帰ってからでも、自分でストイックに勉強できて、
わからないところを自力で解決できるのならいいのだが、
そうでないから、塾に通っているのに、家庭教師をも必要とするのだと思う。

繰り返しになるが、塾内で解かせている問題、
先生の目の前で解かせている問題の数が多いことがサーパスの特徴である。
時には、(今はコロナ禍で、かつてのようにはできないけれど)
解き終わる(できるようになる)まで帰らせないことで、
授業で教わったことを、その場で自分の力にさせていく。

これがサーパスの「演習」スタイルである。