サーパスの算数の授業では、「その日の課題を終わらせた順に帰れる」
というシステムを採用している日がある。逆に言うと、
「授業終了時間になっても、やるべき課題が終わっていなければ帰れない。」
ということである。そうすることで、ただ塾に来ているだけの、
お客様状態の子を生み出さないようにしているのである。
ただ、講習中は授業が連続していて、私たちも次の授業へ向かわなければならない。
授業後に生徒を残しても、最後まで見てあげられないため、
講習中に限っては、原則として居残りを強制していない。
むしろ、やる気もなくダラダラと塾に残るのは、
他の学年や受験生の邪魔になるので、授業が終わったら帰ることを勧めている。
ところが最近、(テストが近かったこともあると思うが)
自主的に残って勉強する生徒が増えてきた。5年生だけではない。4年生までもが、
「もう少しだけやって帰ります。」と言って机に向かっている。
もちろん強制ではないので、帰るのが遅くなって泣く子はいないし、
ブーブー文句を言う子もいない。(笑)
「全部終わるまで帰れない」というプレッシャーがない分、
かえって前向きなのである。
1時間も2時間も残る必要はない。
ほんの10分でも20分でもいい。たった1問でも2問でもいい。
「ここだけ終わらせたい。」
「この問題だけは解けるようになって帰りたい。」
そう思えたこと自体に価値がある。
ただ、難しいのは、これを自然にやることである。
「○○くんも残ってやってるってよ!」
「みんな頑張ってるよ!」
「あんたも残ってやってきなさい!」
「終わるまで帰ってこなくていいから!」
そんなことを言ってしまえば、それはもう自主性ではなく、同調圧力である。
残ってまで勉強したくない子がいて当然だ。
塾の授業に出ただけでも十分頑張った。
「塾が終わったんだから遊びたい!」
小学生なら、それが普通だと思う。
だからこそ、残るか帰るかは、自分で決めればいい。
ただ、その判断に、ほんの少しだけ想像力と計画性が加わると、
勉強はずいぶん変わってくる。
授業終了と同時に教室を飛び出したところで、急がないと乗れないバスでもない限り、
その日の予定が大きく狂うことは、そう多くはない。
10分でも課題を進めて帰れば、家で勉強する時間は短くなるかもしれない。
分からない問題は、家で一人で悩むより、すぐ質問できる塾で取り組んだ方が、
はるかにはかどることも多い。
「残りなさい」とは言わない。
でも、「もう少しやって帰りたい」と思った子が、気兼ねなく机に向かい、
分からないことがあれば先生に聞ける。そんな時間と空気が教室にある。
授業そのものだけでなく、授業前後の時間を上手に使える子は、
家での勉強時間をむやみに増やさなくても、
少しずつ、着実にできることを増やしていけるのである。
