折に触れてサーパスのホームページを開いてくださっている方は、
お気づきだったかもしれません。
今年のサーパスの合格実績には、これまでずっと載せていた四文字がありませんでした。
「全員合格」の四文字です。
実は受験期、ご連絡のつかなくなってしまったご家庭がありました。
最後の最後に、そのご家庭の力になることができないまま、受験が終わってしまったのです。
もちろん、その後、その子がどうなったのかも、私たちにはわかりませんでした。
塾としては、痛恨の極みでした。
どこかに合格してくれていれば……。
元気でいてくれれば……。
そんなことを思いながらも、確かめる術はありませんでした。
しかし、ごく最近のことです。
校舎の外から、こちらをうかがっている顔が見えました。
「なんだろう?」
そう思ってドアを開けてみると・・・・・・
そこにいたのは、あの子でした。
あまりにも突然のことだったので、心の準備などまったくできていません。
思わず、自分でも驚くほど大きな声が出ました。
「うわぁ!久しぶり!」
「どうしてたの!?」
ずっと連絡がつかなかっただけに、私は勝手にいろいろなことを考えていました。
もしかしたら、どこにも受からなかったのかもしれない。
まだ、受験のことを引きずっているのかもしれない。
もしかしたら、私たちのことを恨んでいるかもしれない。
ところが、話を聞いてみると、
事前に聞いていた志望校に、ちゃんと合格していました。
そして今、そこで楽しく学校生活を送っているとのこと。
「良かった~~!」
また大きな声が出ました。
その瞬間、身体からふっと力が抜けました。
本当に、良かった。
ただ、それだけでした。
一瞬だけ、「もっと早く教えてくれたらよかったのに……」
そんなことも思いました。けれど、その子から、
「今日は、お母さんに内緒で、お礼を言いに来ました。」
と聞きました。
受験が終わってから、きっといろいろなことがあったのでしょう。
合格したことを伝えたくても、伝えられなかったのかもしれません。
それでも、わざわざ一人で、もう一度サーパスを訪ねてくれた。
「ありがとう」を言うために。
そう思ったら、合格していたことが嬉しいだけではなくなりました。
この子がちゃんと前を向いて、今、自分の学校で楽しく過ごしていること。
そして、最後にサーパスのことを思い出してくれたこと。
それが嬉しくて、安心して、ありがたくて……。
なんとも言えない気持ちになりました。
泣きたいような、笑いたいような。
きっと、あの子が帰ったあともしばらく、私はそんな気持ちのままだったと思います。
こういう経緯がありましたので、外向けの合格実績には、
この子の合格校を掲載していませんし、「全員合格」も載せていません。
しかし、開校以来続いてきた「全員合格」は、今年も途切れていませんでした。
今年の1月に、「サーパスは『全員合格』に固執しているわけではありません」
というブログを書きました。それは、今でも変わりません。
合格実績の数字のために、子どもたちを追い込むようなことはしたくありません。
けれど、やっぱり、最後の一人の合格を知ったときは、心の底から安堵しました。
そして、思いました。
「ああ、この子は大丈夫だったんだ。」
そして何より、
「わざわざ会いに来てくれて、ありがとう。」と。
改めて「合格、おめでとう。」
「元気な顔を見せに来てくれて、本当にありがとう。」
