東大の合格者数が多い学校、あるいは、その数を伸ばしている学校がある。
東大が全てではないとはいえ、このような学校は、
東大以外の合格実績も華々しいから、注目されて人気が上がる。
また、メディアで取り上げられれば、ますますその勢いに拍車がかかる。
この合格実績を、塾・予備校に通わず、
学校の指導によって出せているとしたら、これはなかなかすごいことだと思う。
入試問題を研究した上でのカリキュラム構成、使用するテキスト、プリント・・・
どれもよく練られたものなのだと思う。
大学受験の塾、予備校は、雑な言い方をするなら、勉強だけ教えていればいい。
ヤル気のない生徒、勉強しても成績が上がらない生徒、部活を頑張りたい生徒、
人間関係に悩んでいる生徒、やりたいことが見つからない生徒、素行の悪い生徒・・・
のことを考える必要はない。塾、予備校は勉強したい人のための場所だからである。
だが学校は、本来勉強だけを教えるところではない(と僕は思う)。
勉強したい子もいれば、運動したい子もいるし、絵を描いていたい子もいる。
ただでさえ思い悩む思春期に、勉強だけに集中するなんてことは、
口で言うほど簡単ではない。
自分はナニモノなのか。自分に何ができるのか。何も為せないのではないか。
と不安を感じて足がすくんでしまったり、
親からの期待や、人から見られている自分と本当の自分とのギャップに
苦しんで、一度全部リセットしてみたいと思ったり。
そんな生徒たちの葛藤全てに、学校の先生が応えられるわけではないにしても、
それらをまるっと包み込んで、「あなたはあなたのままでいいよ」
と受け入れてくれていたら、いつかどこかのタイミングで、
やりたいこと(例えば勉強)に安心して集中できるようになるのかもしれない。
ただ、これは大学受験に限らず、勉強全て、いや何についても言えるけれど、
どんなに良いテキストだろうが、良い授業だろうが、それだけで力が着くことはない。
力がつくかどうかは、最終的には、自分で(勉強を)「やったかどうか」にかかってくる。
すなわち、学校に自習室があったとしても、真夜中まで開いている学校はないのだから、
勉強(演習)量をどこかで確保しないといけないのである。
簡単に言えば、宿題、または課題が大量にあって当然なのである。
もちろん、いわゆる高偏差値帯の学校なら、「宿題は多くない」と言うかもしれない。
だが、多いとか少ないとかという程度の判断には、基準が必要である。
仮に、学年トップの子が2時間以内でその宿題を終えられるとして、
その子が「このくらいの宿題は別に多くはないです!」と言ったときに、
「なんだ!2時間かからないのか!多くないじゃん!」と思うだろうか。
実績が良いところと悪いところがあったら、良い方を選ぶのは当然だと思う。
だが、塾や予備校のような勉強だけ教えていればいいところでさえも、
実績だけを重視したら、切り捨てたり見てみぬふりをしなくてはならない。
小学校では優秀だった子でも、合格して通うことになった中学校では、
もう優秀な子ではなくて、ただの平均的な子でのスタートである。
と、そういうバランス感覚も持っていてほしいと思う。
