「指示通りにやらない子は伸びない」という話を2回に分けて書いたが、
「指示通りにやろうとしてもやれない」「指示通りにやっているつもり」
という子もいるので、そこは分けて考えてあげた方がいい。
自分はその道の専門家ではないので、聞きかじりの知識であるが、
例えば、黒板の文字を「書かれてある通り」にノートに写せないとか、
音読させたときに、書いてある文字を読まずに飛ばしてしまうとか、
こういうケースで考えられる原因として、
集中力等の問題以外に、『目』の問題というのがあるらしい。
視力が悪いとか、左右の視力が違い過ぎていているとか、
そういうこともあるのかもしれない(実際、かつての教え子にもいた。)が、
視力が悪くなくても、目の使い方がうまくないと、
上に書いたようなこと、ひいては、人の真似をする(指示を守る)ことが、
うまくできないという。
当たっても痛くないような軽いボールでキャッチボールする際に、
速いボールを投げるのではなくて、フワッと取りやすいようなボールを投げたとしても、
全く見当違いのところに、変なタイミングで手を出してしまうタイプがいるが、
これも運動神経の問題ではなくて、目の使い方に原因があるのかもしれない。
ただ、幸いにも、この「目の使い方」は練習すれば改善できるらしいので、
もし、思い当たる節のある方は、やり方を調べて練習してみるといいと思う。
さて、ようやく本題であるが、
指示を守りたくても守れない理由が『目』の問題ではなかった場合、
すなわち、集中力とか姿勢の問題である場合、
これらは意識することで直せる。逆に言うと、自分で意識しない限りは直せない。
例えば、サーパスでは「式を書こう、図を描こう」としつこく言われる。
しかし、これだけしつこく言われてもなお式や図を書かないタイプの中に、
さっきまで書こうと思っていたのに、いつの間にか忘れてた!
と、指示を守るという「意識」を保ち続けられないタイプがいる。
細部まで気を払い続けるのは、疲れるし面倒くさいことかもしれないが、
それをやらずに、大丈夫だろう、きっと問題ない、まぁいいや、
で済ましてしまうと、身に着いてしまったよくないクセは直らない。
だからいつも「式を書く、図を描く」と自分に言い聞かせないといけない。
最初のうちは、きっと指示通りにやれる。
だが、段々と疲れてきたり、惰性になってきたりすると、
いつしか気が抜けて、また指示通りにやれなくなる。
そういう自分のクセをおぼえておいて、
ことあるごとに「式を書く、図を描く」と自分に言い聞かせるのだ。
最後に余談であるが、大人の社会のルールを子どもに当てはめるつもりはないのだが、
近頃は、指示を守れない社会人に対して、
二度三度くらいまでは注意したり指示をし直したりするけれど、
それでも言うことを聞いてくれないなら、この人には言っても無駄だと、
見放してしまうようなところが増えたような気がする。
口うるさく言われるのは嫌かもしれないが、言われるうちが華ということもある。