着眼点②

営業関係の仕事や、お金を預かる仕事をされている方に
伝わりやすい話かと思うけれど、
A社の商品を、B社は1億円分、C社は10万円分購入しているとする。
A社にとっては、B社との関係が悪くなれば、1億円分の損失になるから、
どうしてもB社との関係を良好に保つ必要がある。
それと比べると、C社との関係が大事でないとは言わないけれど、
そことの関係が悪化したとしても、損失は10万円で済む。

だから、A社は、B社の営業担当からアポイントが入れば、
何よりも優先して、その人に会おうとするだろうけれど、
C社からのアポイントに対しては、そこまでの優先順位にしない…と、
こういうことは、事実として、存在するものと思う。

 

同じ理屈が、全てにそのまま当てはまるわけではないけれど、
似たようなことは、こういうところにおいてもあるかもしれない。

仮の話としておくけれど、
ある大手塾Xが、ある中学校Yに、多数の受験生を向かわせたとする。
進路指導の際に、Y中学の受験を誰彼構わず勧めるとか、
Y中学の宣伝を大々的にやるとか、方法はいくらでもあるが、
その結果、Y中学を受験した子の大半をX塾の生徒が占めたとする。
すると、Y中学にとって、X塾は最大のお得意様となる。

逆に言えば、X塾の子どもが、Y中学の受験を回避するようになると、
Y中学の受験者数は半減し、人気も偏差値も下がってしまう。
だから、翌年も同様に受験生を確保したいY中学は、
「X塾生だけを対象にした説明会」を開いたりして、自校をアピールする。

と、こういうことが、ひょっとしたらあるかもしれない。
あっても不思議ではないし、そこに特別な感情はわかない。
別に、X塾対象の説明会に出られないからといって、
それ以外の塾に通っている子が不利益を被るわけではないし、
受験自体は、公平におこなわれるから、
世の中そういうものだと思って、割り切ればいい。

ただ、逆に、十分な受験者数を毎年集めていながら、
そして、大手塾からの受験者数が絶対的に多いはずなのに、
小さな塾のことも大切にしようとし、どの塾に通っているかなど関係なく、
個人個人に対して温かく接してくれようとする学校があるとすれば、
その学校には、そういう気持ちや姿勢があるのだとわかる。

と、こういうところに学校の良さを感じられたとしたら、
これだって、学校選びの1つの理由になると思う。
どこに良さを(あるいはその逆を)感じるかは、その人次第である。