入塾者全員を、希望通りに必ず伸ばせる塾など存在しない。
それは中学受験において一番合格者数を出しているサピでも変わらない。
しかし不思議なことに、サピに一度入ると、
成績が思うように伸びずに手詰まり感が強まっても、
他の塾に転塾という選択肢をとる人が少ない。
余談になるが、家庭教師の依頼が多いのもサピ通塾者からである。
それ以外の大手塾に通っている子は、伸び悩んだ時には転塾を選ぶことが多いが、
サピ生は、転塾せずに家庭教師との併用を選択する。
サピというブランドから外れることが、
受験での敗北や脱落をイメージさせているのかもしれない。
だが、やり方や環境を変えれば、うまくいくことは大いにありえる。
難関校に合格したければサピ!などと言う人がいるが、
もし、世の中にサピしか塾が無かったら、
ただ、塾内順位に近い受験結果になるのではなかろうか。
受験前から結果が見えていることが安心という考え方もあるかもしれないが、
人によっては、早い段階で希望の見えない受験勉強になるのではないだろうか。
巨人では試合に出ることさえ難しい選手が、
他球団に移籍すると、活躍するという例がわかりやすいかもしれない。
4番を打ったり日本代表選手に選ばれたり、と大活躍して、表情が明るくなる。
逆に他球団で主力だった選手が、巨人に移籍して活躍しなくなることもあるが、
これも別に、実力が無かったわけではないと思う。
お笑い(芸人)にたとえるなら、
今売れている芸人さんの中にも、吉本興業以外に所属している人がいる。
世の中に吉本しかなかったら、その人は日の目を見ていなかったかもしれない。
大きな組織に属することで、安心を得られるタイプなら、それも1つ。
ただ、少し小さな組織に移れば、今より大事にされるかもしれない。
選択肢は複数あった方がいいと思う。