2011年のワールドカップ優勝から3年。その間、なでしこは
2012年アルガルベ・カップ準優勝。
2012年ロンドンオリンピック準優勝。
2013年アルガルベ・カップ5位。
2013年女子東アジアカップ準優勝。
2014年アルガルベ・カップ準優勝。
と、タイトルからは遠ざかっていた。
チームの若返り政策など、様々な課題にチャレンジしての試行錯誤中であったと予測されるが、
プロ野球や男子サッカーと違って、結果を出し続けなければ注目度が下がり、注目度が下がればそのまま人気も下がって、協賛企業(スポンサー)が撤退し、サッカーだけに打ち込むことが困難になる。
そういう危機感はきっと現場にあったに違いない。
そんな中での初のアジアカップ制覇!
若返りも目指さなければならない中、やはり光ったのは澤選手を始めとするワールドカップ優勝メンバーだったように感じたが、それでもこのアジアカップが始まったばかりの頃と比べると、試合を通じて若手の選手たちが見違えるように成長したように感じられた。
さて今日は、そのなでしこの中でキャプテンを務める宮間あや選手のお話を。
宮間選手はなでしこの司令塔。
男子サッカーに例えると遠藤選手のようなイメージだろうか。
左右両方の足で性格なキックを蹴れる。
準決勝の中国戦で、宮間選手のコーナーキックから澤選手のヘディングによるゴールが生まれたが、まさにドンピシャ。
鳥肌ものの素晴らしいゴールだった。
澤選手は言っている。
「(宮間選手は)両足で蹴れるし、キックの精度が高い。セットプレーでは、自分はボールに体をあてるだけでいい」
しかし、それだけ卓越した技術を持っていながら、女子アジアカップ前のインタビューでは、自分の売りはパスではなくハードワークだと言っていた。
実際よく走っていた。
川澄選手の走りも驚異的だったが、宮間選手も前線から守備をしたかと思えば自陣まで戻って守備をし、攻守に活躍していた。キャプテンがあれだけ走っていれば、周りも感じるものがあっただろうと思う。
プレースタイル同様、彼女の性格も人を魅了する。
ワールドカップ優勝後に、破ったアメリカの選手達を気遣う姿がスポーツマンシップの模範として世界中から賞賛されたが、彼女にとっては当たり前のことなのだろう。
「やっぱり相手がいないと試合できないですから。試合中は敵ですけど、試合が終わればひとりのサッカー仲間ですし。そういう風に相手にも思ってもらえるような、自分たちもそういうチームでありたいと思いますし、また自分たちも相手にそういう敬意を持って戦わなきゃいけないと思っています」
「下手な選手がいるなら、巧くなれるように助けてあげればいい。私は、試合には勝ちたいけれど、ただ強いだけのチームに入ってチャンピオンになりたいとは思わない。『一緒に戦いたい』と思える仲間がいるチームで、日本一を目指したい」
いやぁ、かっこいい。