秋になると、夏前や春先と比較して、ほんの少しではありますが、
課題に対して、「やらなきゃ!」という気持ちが見えるようになる子が現れます。
それこそ、ひと目見て解けない問題や、解いてはみたものの一度で丸がつかない問題に、
今までなら戦意喪失して、ただただ時間を浪費するか、諦めるかだったのが、
一応、投げ出すことなく、問題に向かい続けられるようになります。
とはいえ、やらなかったツケも小さくはないのです。
例えていうと、万博などのテーマパークには、開園前から行列ができていて、
割と早くに入園できたとしても、人気のアトラクションや展示物は、
その日の入場可能人数にすぐに達してしまうことが多いですが、
そのテーマパークにゆっくり後れてやってきて、
「今からでも(アトラクション)間に合いますか?」と聞くようなものです。
残念ながら、そんなに甘くはありません。
ちょっとヤル気になったからといって、先を行く人たちにパッと追いつけることは、
よっぽどの天才でもない限り、普通はないのです。
先を行く人たちは、長い時間をかけてコツコツとやってきたのです。
1日あたり20分30分の勉強だったとしても、毎日のように努力し続けていた人には、
コツコツやったからこそ、染み込むように(習慣化された)身についた力があります。
また、積み上げるその「コツコツ」は、正しいやり方であった方がいいです。
例えば、何かの問題集やプリントを使って反復練習を積むときに、
答えの順番や答えの位置をおぼえてしまっているだけで、
問題の配列や聞き方を変えると解けなくなる子は、勉強のやり方として危ういです。
算数の問題で、図や式を書かない子も危ういです。
「(式なんか)書かなくてもできる!」と主張する子もいますね。
しかし、その子が本当にできる子(天才)なら、放っておけばいいですが、
年月が経って、本当は天才ではないことがわかってしまったとき、
そこからやり方を改めようとしても、やっぱり苦労します。
アドバイス(正しい方法)を聞かなかったツケも、その頃には大きくなっているのです。
「間に合いますか?」この仕事をしていると、よく聞かれます。
サーパスは、間に合わせようと思ってやっています。
間に合わない。もう無理。やっても無意味。そんなことは1ミリも考えていません。
ただ、間に合わせるためには、これまでと同じ努力では届かないと思います。
これまでと同じ努力の延長でも届かない可能性はあります。
「3年生、4年生までは成績良かったんだ!」「昔は国語得意だった!」
と、こういうことを言う人もいますが、厳しく言えば、この発言などはまさに、
その時期その時期に必要な勉強法(アドバイス)に耳を貸さず、
それをやらずにきたことを自白しているようなものだと思います。
(中高生にもいますね。算数はできてたのに!数学は苦手!みたいな。)
それでも間に合わせたいのなら、疲れない程度の頑張りでもって
どうにかしたいという意識では、もはや届きません。
自分のできないこと、苦手なこと、コンプレックスと向き合い、
乗り越える気合いがないと難しいのです。