志望校を決める際に、第三者の意見を参考にすることもあると思います。
しかし、そのときに判断を難しくさせるのは、
「問題点を感じていない人には、何が問題かがわからない」から、
(悪気なく無邪気に)良いことしか伝えられないということです。
例えば、流行りのアニメ、あるいは推しのアイドルで盛り上がっている人は、
それの良いところを力説してくれるかもしれません。
しかし、勧められるがままにそれを見たときに、
それを良いと思えなかったことは、誰しも経験があるのではないでしょうか。
アニメやアイドルなら、合わなければ見るのを止めればいいだけですが、
6年間通う学校となると、そうもいかないですね。
「いい学校だよ!楽しいよ!」と言っている子と自分は別の人間なのですから、
楽しく感じるかどうかはわからないわけですが、
「いい学校だ」「楽しい」という人たち複数人に囲まれると、
そこに違和感をおぼえてしまった場合に、
自分(だけ)が変なの?おかしいの?と思ってしまうかもしれません。
そしてまた、学校で嫌だなと思うことがあったとしても、ある程度の良識があれば、
それをヨソのお子さん(後輩の小学生)に向かって言うわけがないのです。
もっと言えば、ある程度の年齢になったら、自分の親にも言わなくなるはずです。
親御さんが、ウチの子は学校に楽しく通っている!と思っていても、
実際には、子どもだって色々、様々な思いを抱えながら、折り合いをつけながら
日々を過ごしていることと思います。
こんなことを言うと、じゃぁどうしたらいいの?と言われそうですが、
僕の言いたいことは、ずっとこのブログに書いてきた通りで変わりません。
それは、何でもかんでも子どもだけに決めさせない方がいいということです。
外食するときのメニューなら、好きなものを選ばせていいと思います。
飛行機に乗ったときの「ビーフ オア チキン?」も
好きに決めさせていいと思います。
食べきれなかったとしても、それがたいして美味しくなかったとしても、
人生を左右するほどのことにはなりません。
しかし、例えば、子ども自身が「やりたい!」と言って始めた習い事に、
ものすごく高いハードルを課したり、
子どもが決めた志望校の場合に、自分で始めた(選んだ)んでしょ!
と、全責任が子どもにある(親に責任はない)ようなことを言ったり…
というのは、あまりに酷すぎると思うわけです。
子どもに決めさせる。自分で選ばせる。
子どもを大人扱いしていて、聞こえはなんとなくいいかもしれません。
しかし、たった10年ちょっとの人生経験です。
視野もまだまだ狭いものだと思います。
子どもの意思を尊重しつつ、全責任を子どもに背負わせない。
うまくいかないときこそ、その責任を親が請け負ってほしいと思っています。