フキハラ

『フキハラ』という言葉を聞いたことがありますか?
なんでも、不機嫌ハラスメントの略で、
自分が不機嫌な気分であることを言葉遣いや態度で表して、
人に、不快感や威圧感などを与えること、そして、気を遣わせること。
と、こういう意味のようです。

何にでも「ハラ」「ハラ」付ける昨今の風潮はどうかと思いますが、
しかし、こういう不機嫌な感情を表に出し続ける人、
自分がなぜこんな不機嫌になっているかを説明もせず、察しろ!という態度で、
周りの人を自分の思い通りにしようとする人って、確かにいます。

そういう人が近くにいると、
怖くて委縮してしまう人、心が休まらない人、気をつかってしまう人…
つまるところ、ストレスに感じる人は、こういう『フキハラ』を苦手に思うはずです。
触らぬ神に祟りなし!で、関わらないようにしよう!と思っていても、
関わらないためには、その不機嫌を撒き散らしている人に対して、
常に注意を払っておかないといけないので、
結局、気にしないでおくことができません。やっぱりストレスなのです。

気にしないようにしたくても、注意を払っておかないと、
いつ災いが降りかかってくるかわからない。
そうして、その人から不機嫌をぶつけられないことを最優先に考えているうちに、
自分のことなど後回しになって、そのうち、どうでもよくなるかもしれません。
そんな不安定な状態でいると、普通のメンタルの人ならいつしか病みます。

不機嫌を撒き散らすことに抵抗がないどころか、
それすら自分の正当な権利であるかのように振る舞う人も、
実は、見るからに怖そうな人や、立場が上の人に対しては、
そのような負の感情を出すことをきちんと抑えられます。
つまり、相手を選んでそういう態度を取っているわけです。
そんな自分勝手で卑怯な人のせいで、
気遣いのできるまともな人が病んでしまうのです。

 

さて、一方で、自分事として気を付けないといけないことがあります。
ストレスや不安がたまってくると、知らず知らず、
自分のストレスや不安を人にぶつけるようになりがちです。
『フキハラ』とはどういうものかという(上の)説明を読んで、
あぁ!あの人のことだ!と誰かを思い浮かべた人もいるかもしれませんが、
いつの間にか、自分自身が相手を選んでストレスをぶつける
『フキハラ』人間になってしまう危険性があることを、
心に留めておいてほしいと思います。

ストレスや不安を、自分の心の内だけで解決しなさい!とは言いません。
しかし、自分より弱い相手や言い返してこないような相手に
それをぶつけるような人間にならないように気を付けないといけません。
受験期は学力や成績を上げるために勉強を頑張る必要がありますが、
このタイミングで学ぶべきものは、勉強だけではないと思います。
追い込まれてもなお、人に優しくできるか、感謝できるか。
自分の性格を知った上で、優しくあろうとすることができるか。
そんなことも学べるいい機会だと思っています。