真似から始める(プレスクール)

今年も3年生向けの算数「応用クラス」を設置している。
(この「応用クラス」の授業の進め方については、
昨年の10月のブログを参照していただきたい。)

この「応用クラス」に参加される方の多くは、
おそらく、公文かそろばんなどを、以前に(あるいは現在も)やられていて、
その結果、同年代の子と比べたときに計算が得意である。
まず、計算のやり方を知っていることだけでもアドバンテージがあるが、
その上、解くスピードも速く、比較的正確である。

計算力があるというのは、無いよりもはるかに有利であることは間違いない。
しかも、ある程度の計算までを暗算でできるとなれば、
生きていく上でも(私生活においても)得することは多い。

ただ、そうは言っても、頭の中だけで解ける問題なんてたかが知れている。
3年生では、まだ想像つかなくても仕方がないのだが、
図も書かず式も書かず、頭の中だけで処理しようとする子の多くは、
3、4年生までは結構乗り切れてしまうことが多く、
それゆえその姿勢を直そうとしない。

しかし、5、6年生になって、いよいよ受験算数のレベルが上がってくると、
頭の中だけで処理できるような問題はほとんどないので、
急に算数ができなくなったように感じる。
ここで慌ててどうにかしようとするのだが、
それまでの間、図の描き方も式の書き方も学んできていないので、
急にそれを実行することもできない。と、こういう状況になる。

だから、この「応用クラス」で扱っている問題は、
その計算力・暗算力を頼りにして問題に取り組んできた子を、
揺さぶるように作ってある。
よ~く読んで、問題文に書かれたことをイメージし、整理できるかどうか。
手を動かして丁寧に数え上げることから、法則や規則に気づけるか、
そこから論理的な思考ができるか…と、そんなことを意図して作問している。
逆に言えば、計算力・暗算力で乗り切れる問題は(すでに)少なくしてある。

例年、最初はうまくいかない子が多い。やはり、頭の中だけで考えてしまうので、
突然、答えだけ書く子や、何をしていいかわからずフリーズする子が多い。
だから、手の動かし方のコツというか、手がかりとなることを板書するのだが、
コロナ流行以降、その板書をそっくりそのまま写せる子がますます減った。

「応用クラス」に参加を希望するような子は、
小学校の中でいえば、おそらく算数を得意にしている子であると思う。
算数で特に困った経験の無い子が多いと思う。
その自信やプライドのようなものが揺さぶられるのだから、戸惑うのが普通だ。
今までのやり方が通用しないのも初めての経験だろうし、
違うやり方を、うまく受け入れられないのも仕方がない。

焦らず、見よう見まねで、新しい方法を取り入れてみるといい。