つい昨日の記事で、思わず「おいおい!これ書いた人、大丈夫か!?」
と突っ込みたくなったものについて書きたい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/daae61e8a1e04018ba89badf4b753b663a26b538
この記事によれば、「つるかめ算」という算数の問題は、「特殊算」であって、
『中学に入れば、xとyを使っての方程式を習う。
そのため「つるかめ算」や「旅人算」は、無用の算数とされている節があって、
文部科学省の学習指導要領にも「特珠算」指導の記載はない。
したがって、特珠算は公立小学校では触れられず、
町塾か中学受験専門塾でしか教えられていない。
その意味でつるかめ算や旅人算といった算数は、
中学受験で“選別”のためだけの特殊な算数であり、
現実的に中学以降の数学につながらないし、不要だとする意見も多い。
実際、中学受験校のすべてで特珠算が出題されるわけではない。
開成や駒場東邦、神奈川県の聖光学院では、ほとんど出題されない。』
ということである。
実際は、最後の1文だけでも事実と異なるので、
わざわざ解説する必要もないほど、ありえない記事なのだが、
一応、算数を教えている立場から、
この人の主張が、どう間違っているかを補足したい。
「つるかめ算」を多くの小学校で教わらないことは、おそらく事実であるが、
それは、『無用の算数』と判断したからではないと思う。
中学入学以降、「つるかめ算」を方程式で解くことになるのも事実であるが、
だからといって「つるかめ算」は特殊算ではない。
「つるかめ算」は、特別感のある印象的な名前がついているだけで、
要は、モノの見方、捉え方、考え方である。
「1000円札1枚で、6個のアイスを買って帰りたい。
200円のアイスと150円のアイスがあった時、ちょうど1000円にするには、
それぞれ何個ずつ買えばいいか?(消費税については考えない。)」
もし150円のアイスを6個にしたら、150×6=900円で、
1000−900=100円残ってしまう。ちょうど1000円にしたいから、
150円のアイスを1個だけ200円にしてみると…
と、金額の合計や、単価の差に注目しながら、
数がどう変化するかを考えるための題材にすぎない。
日常生活でも使う考え方に名前がついただけで、どこにも特殊なところはない。
この記事を書いた人は、〇〇算と名前のつく算数の問題は、
公式や解法を暗記して、それに当てはめて解くものと思っているのかもしれない。
特別な解法を暗記して解くだけならば、方程式で十分だと考えたのかもしれない。
まぁ、この人の本当の考えについてはわからないけれど、
少なくとも、サーパスの算数に対する捉え方は、この人とは違うものである。