国語の力が伸びていかない理由の一つに、語彙力の不足が挙げられる。
小学校低学年から4年生くらいまでは、そこまで難しい言葉は出てこない。
だから、このくらいの年齢までは、
国語を好きな科目、得意科目と思っている子が結構いる。
しかし、5年生や6年生になると、出てくる語彙のレベルが突然上がる。
その結果、突然国語は嫌いで苦手な科目に変わる。
5年生や6年生になっても国語が得意な子というのは、
この4年生までの時期に、少し背伸びをした読書をしながら、
実際の学年以上の語彙力を身に着けている。
ただ読みやすいだけの、年齢に該当する本では物足りなくなって、
お姉ちゃんやお母さんが読んでいたり、上級生が読んでいたりするような、
少々歯ごたえのある本にチャレンジしてきた結果なのである。
テストの点数が良いからと、何もしてこなかった子とはわけが違うのである。
この話はここで終わらない。小学生までは読書習慣があったのに、
中学生や高校生になると本を読まなくなる子がいる。
すると、それまでの経験と出してきた結果のおかげで、
「国語は特に勉強しなくてもできる」と思っていた子でも、
突然国語で点数を取れなくなる。
大体、高校1、2年、小林秀雄の評論などをやり始める頃に
そうなる子が多い印象だが、そうなる理由も上で述べたのと同じ理由だと思う。
要は、国語も英語と同じ語学なのであって、語彙数を増やしていかないと、
読める文章が限られてしまうということなのだ。
英単語を知らずに長文を読もうとしても、読めるわけがない。
読めないのだから、問題を解けるわけがない。英語を例にすると伝わりやすい。
なのに、国語ではやたらと問題を解かせたがる人がいる。
入試が近づいてくると、過去問などの問題を多くこなすことで、
国語の対策を取ったように思う人がいる。
もちろん、直しまでしっかりやった上で、多く解くなら最高だが、
直しをおろそかにして、量だけ解いてもできるようにはならない。
問題を解き終わったら、必ず音読と『意味調べ』をしっかりやろう。