良いものは良い~湘南白百合の説明会~

社会人になりたての頃や、転職して新しい会社に勤め始める時には、
既定の勤務時間の、最低でも30分前には出社して、
床やトイレを掃除したり、先輩の机を拭いたり、電話を拭いたり…
というのが当たり前だった。

しかし今は、こういったことを新人に話すのもパワハラになるらしい。
30分前に出社をして諸々のことをやった方が良いと言うのであれば、
その分、「30分早く帰っていいですよね?」あるいは、
「その時間、残業代はつきますよね?」と、こういうことになるらしい。

また、今はコロナで、そもそも無理だけれど、
仕事終わりに上司に誘われてお酒を飲みに行くのも、もっと言ったら、
歓迎会、親睦会、忘年会ですら、「強制ですか?」「残業代出ますか?」
なんて話になるらしい。

かくいう私も、お酒を飲まないので、飲み会は無くても困らない。
酔いに任せて言われた言葉をどこまで信じていいかわからないので、
大事な話をするなら、落ち着いたところで飲まずに話したいと本当は思っている。

 

だけど、飲み会なんて無駄なもの、上司の誘いに付き合うのも無駄な時間、
30分前に出社するのも含めて、全部不要だと考えて切り捨てるのは、
違うんじゃないかと思う。

 

こんなことを言うと、考え方が古いよね、昭和だよね、
無駄を省けばもっと効率よくやれるのに…これだから頭の固いおっさんは…
なんて言われちゃうかもしれない。
だけど、古い物の中にも、良いものはきっとある。
そしてそれは、無駄だと思われる中にも、効率悪いって思われるものの中にも。

だって、例えば、効率だけで言ったら、学校なんて行かずに、
全部オンライン学習で済ませた方が、無駄がないんじゃない?
でも、絶対そうだとも言いきれないなって、
直感的に思うところもあるでしょう?
往復2時間かけて学校に行くことも、何かしらの意味や価値があるでしょう?

 

新しいものや効率を求めることがダメだということではもちろんなくて、
そういったものを、柔軟に取り入れることも大事!なんだけど、
ただ、日々更新される目新しいものに、次々と目移りするのではなくて、
良いものは、古くても大切にして欲しいと、そんなことを思うのである。

 

私立の学校だって、生徒集めをうまくやらなければ、
経営がたちゆかなくなるのは間違いないのだけれど、
人気が下がることを怖れて、目新しいものに飛びつく学校ばかりになるよりは、
伝統校と揶揄されることがあったとしても、
古くて良いものに誇りを持ってやっている学校が評価されて欲しいと願う。