ときどき

昨日、遂に緊急事態宣言が出ましたが、
3月からすでに、不穏なというか、ただならぬ緊張感がありました。
早朝のドラッグストア前の行列もそうですし、スーパーの異様な混雑もそうです。
パンやカップ麺、冷凍食品などが、スーパー内にほとんど残っていないという
そんな光景もたくさん目にしてきました。

誰もが不要な買い占めなどをしなければ、モノが足りなくなったりはしないのに、
とはいえ、いざ店頭から無くなってしまったら困るとの思いから、
ちょっと多めにストックしておこうという心理が働くのでしょう。
と、冷静に話しているようにみえて、お恥ずかしながら、
私の家の冷凍庫も、いつもよりモノが多めです。

で、まぁこういう状態なわけですから、当然、
冷凍食品を作っている会社は、工場をフル稼働しているわけです。
外食産業に卸している食品や、給食に出していた食品についての売り上げは
目も当てられない状況だと予想されますが、
スーパーで販売されているような食品については、
ひょっとすると過去最高レベルの売り上げになっているのかもしれません。

 

さてさて、では、この工場で働く人たちは、
今このタイミングでお休みしてもよいでしょうか?
今こそお金を儲けたい!なんてことを考えている人は、
その工場にもいないと思います。休めるなら休みたいと誰もが思っているはずです。
しかし、お休みすれば私たちの食べ物が足りなくなります。それこそパニックです。

工場で働く人たちにもリスクはあります。
小さな子どもがいる人もいるでしょう。
自分もどこかでコロナウィルスに感染するかもしれません。
もし従業員が一人でもコロナウィルスに感染すれば、工場自体を閉鎖し、
市場に出回った品物を回収しなければなりません。
すでに食べてしまった人がいれば、裁判沙汰になるかもしれません。
そんなリスクを抱えてまで、仕事に出たい人がどれだけいると思いますか?
それでも工場を稼働することで、人々の生活を守っている、
そういう人たちが、ここ(工場)に限らず、そこかしこにいるのです。

自粛要請は、みんなが足並みを揃えないと意味が無い!
という意見は、それはそれでもっともですし、その通りなのですが、
普段の生活の中では、なかなか意識しない人々の、
(私たちから)見えないところでの頑張りに助けられて、
今の自分たちの生活が成り立っているのも事実です。
そのことに、ときどきでも、思いを馳せられる人になって欲しいと思います。