例えば、100点満点のテストで、自分のできる問題を全て解いて90点取れた子なら、
残り10点分の難問に挑んでみてもいいでしょう。
でも、基本問題でポコポコ間違えている子が、
その最後の10点分を直そうとするのは、勉強の仕方としてはよろしくありません。
その子が今取り組むべきは、そこではありません。
10年早い!とは言いませんが、時期尚早です。
しかし、難しい問題を解けるようにならないと、受験で困る!とか、
難しい問題を勉強していた方が、基本問題が解けるようになる!
と、考えている人は、残念ながら大人の中にも少なくありません。
「そこは(解けなくて・解かなくて)いい。」と、アドバイスしようものなら、
不安になる親御さんが必ずいらっしゃいます。
でも、ちょっと考えてみてください。
泳ぎは得意でないけれども「25m泳げるようにならないといけない!」
と思っている人がいたとして、その人にいきなり25m泳がせるかといったら、
そんなことはしませんよね。
また、コーチが目の前で25m泳いでみせたって、本人が泳げるようにはなりません。
泳ごうとすると、力が入りすぎて沈んでいく。前に進まない。
息継ぎができない。息継ぎしようとすると、水を飲んでしまう。
とにかく怖い!
こういう人が25m泳ぐためには、段階があります。
なのに、それをすっ飛ばして、いきなり25m泳がせようとするのは無茶です。
まして、25m泳ぐためには、25mを目指していたらダメだ!
100mくらい平気で泳げるようになれ!なんてことをしたら、
泳ぎを練習しようという気持ちさえ、無くなるかもしれません。
逆に、平気で25m泳げるようになったら、1km泳いでみたいと思うかもしれませんし、
クロールだけではなくて、背泳ぎや平泳ぎにも挑戦してみたくなるかもしれません。
要は、物事には順序やタイミングがあるという話です。
あるいは、どこまでが(その子に)必要か?という話です。
計算ミスだった問題や、問題文を読み間違えた問題、
答えを見た瞬間に「あぁ、なんだ!そんなんで良かったのか!」と、思った問題…
こういうバツを、きちんと直さないで(わかった気になっただけで)見過ごす人は、
今後も同じようなバツを取り続けます。点数が上がっていきません。
しかし、こういうタイプの子ほど、えてして難しい問題ばかり質問にきます。
繰り返しますが、この子が今取り組むべきは、そこではありません。
実際、1つ前の段落に挙げたような問題を間違えなくなるだけで、
合格点に届くことはよくあります。
そして、そのレベルをミスなく解けるようになっていないから、
もしくは十分に理解していないから、応用問題が解けないのです。
すでに一回出題された難問は、二度と出題されないかもしれません。
でも、基本問題は必ず毎年出題されます。
そのことをわかって、直しをしてください。