伸びている実感が無いときこそ

夏期講習も残り一週間となった。
夏に入る前の時点で、何の目標も立てず、何の意識の変化も無く、
それまでと同じ感じでやろうと思っていた人はいないだろうけれど、
勝負の夏だ!と入れ込んだ割には、
やろうと思っていたことを全然やれなかった!
という人も多いのではないだろうか。

力が着いた気がしない、手応えが無い、終わっていないものが多過ぎるし、
テストの点数も上がっていない…と、不安材料を探せば、いくらでも見つかる。

だが、初めての受験勉強なんて、そんなものだ。
冷たく聞こえるかもしれないが、夏に頑張ろうと思ったくらいで、
成績や学力がグンと伸びるなら、誰も苦労しない。

範囲の狭い漢字テストや一問一答テストくらいなら、
いつもより頑張れば、パパっと点数を上げることも可能かもしれないが、
6年生に関しては、カリキュラムも終わって、全範囲からの出題なのだから、
そう簡単にはいかない。
あれもこれもおぼえなきゃいけない、身に着けなければならない!
というプレッシャーに追い立てられるように勉強しているときは、
こっちをおぼえたら、(おぼえたはずの)あっちが抜けていく…
という繰り返しになりがちだ。
やったことが身に着いていないから、不安にもなる。

 

じゃぁ、どうするか。
やり方については、その人その人で多少の違いがあってもいいが、
「抜け」を減らせるような工夫が必要だ。
あっちもこっちもと目移りするよりも、「復習上手」になった方がいい。

塾に通っていれば、新しいことを教わることもあるだろうし、
新しい課題を渡されることもあるだろう。だから、そのバランスは難しい。
それでも復習上手になるには、
新しいことを教わったその瞬間が、運命の分かれ道だ。
授業を前のめりで聞けて、授業内で理解しようと頑張れば頑張るほど、
復習は短い時間で済む。そして、おぼえたことを忘れにくくなる。
逆に、授業を大切にせず、ただノートを取るだけのような受け身の姿勢では、
復習の時間は長くなる。そして、今日の復習が終わらぬうちに、
翌日の復習、翌々日の復習…と、復習すべきものがたまってしまう。

 

ところで、世のお父さんお母さんは驚かれるかもしれないが、
この「復習」という言葉が意味するところの勉強の中身(やり方)を
子どもに確認すると、案外、頓珍漢なことをやっている場合も少なくない。

昨年のある秋の日のことである。
「復習してる?」と聞くと、「してるよ!」といつも答えていた子から、
「復習ってどうやるの?」と聞かれて、
今さら!?と思いつつも、丁寧にやり方を説明したことがあった。
すると、「へぇ!復習って、そうやってやるんだ!初めて知った!」
と言われた。恥を忍んで復習のやり方を聞いたその子は、
そこから、着実に力を着けていった。
今年の6年生も「復習上手」になってほしい。