前回のブログでも元教え子の話を載せましたが、
今日もまた元教え子たちの話をもとに書いてみようと思います。
毎年、何人かの卒業生から就職相談を受けます。
最初は「自分が本当にやりたいことが何なのかわからない」から
始まることもありますが、やりたいことがはっきりすると、
希望する企業がしぼれてきます。
同じ業種でも企業ごとの違いが少なからずあり、
その違いを知るためにも企業研究をするわけですが、
その時一番違いがわかるのは実際に働いている社員の方に話を聞くことだと思います。
たまたま教え子が希望する企業に自分の友人がいれば
紹介することもあったりするのですが、
その時にはしばらく疎遠になっていた友人と連絡を取るきっかけにもなります。
本来、大学は勉強するために行くところです。ですから
「その気がないなら大学なんて行かなくていい。高校出たら働いてもらって結構。」
と言われる方が多いのはうなづけます。
「最終的に学歴なんて関係ないよ。その人次第だよ。」
おっしゃる通りだと思います。
「自分は割とさぼらずに勉強してきた方だと思うけど、
じゃぁその勉強が今どれくらい役に立ってるかって言われたら、
そんなに役に立ってない。
中途半端に勉強するくらいなら、手に職つけた方がよかったんじゃないかって思う。」
おっしゃりたいことはわかります。
しかしこの就職活動について、学生側と企業側からの両面から話を聞くと、
う〜む?これはそう簡単に終わるような一筋縄でいく話ではないぞ
と思ってしまうのです。
まずは企業で働く友人たちから聞く人事の話です。
「ぶっちゃけ学歴は関係あるよ。全員と面接する時間はないし、
やっぱりそこ(学歴)は見るからね。」
「学歴は大事だよ。やっぱりね、色々と違うよ。
具体的にこうっては言いづらいけど、話してるだけで、
あ、この人は違うな!ってわかっちゃうもん。」
次に、教え子たちからの話です。
「(書類選考の後) 集団面接に行くと、もう国立か早慶ばっかりでした。」
「もっと受験の時にちゃんと勉強しておけばよかったです。」
「正直学歴なんて関係ないと今まで思っていたけど、
○○に入っていて良かったと思いました。」
そして、企業側からと教え子側から、くしくも同じ話が聞けました。
「勉強させられている時は、何でこんなことやんなきゃいけないんだ?
と思ってたんだけど、いざ振り返った時にやってて良かったって思った。」
今、「やるもやらないも本人次第」「本人任せ」「本人に決めさせる」
そういった空気がある気がします。
ただ、上の話を聞いた時に、
『過ぎ去ってから気づく価値がある』
ということを再認識しました。
上の言葉は自分の世代だけでなく今の学生からも出てきた言葉なのです。
逆に言えば、あまりに本人に任せ過ぎると
「勉強した方がいいって誰も教えてくれなかった。」なんて言葉も
そのうち出てきてしまうんじゃないかとさえ危惧します。
以下、齋藤孝さんが著した「やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法」より抜粋です。
『勉強すると幸せになれるという希望が持てれば、
子どもは勉強するようになります。
(中略)
その希望が持てるかどうかが、勉強ができるようになるかどうかの
大きな差になってあらわれます。
その差は、個人の差というよりは家の差だと思います。
かつては社会全体に、勉強すれば幸せになれるという希望が
満ちあふれていました。勉強することが肯定されていたわけですが、
現在は勉強の価値を確信している家と、
そうでない家がはっきり分かれてしまって、
その家の雰囲気によって、子どもが勉強する、しないが決まってしまいます。』
受験に出るとか出ないとか、そういう小さいレベルの話でなく、
(3年生でも) 勉強はしておいた方がいい!私たちはそう考えています。