突然ですが、大学受験予備校の中では、S台とK合塾が有名です。
その2つの予備校で言うと、(一般論ですが)
S台の方が理系進学には強いけれど、そもそもの授業内容自体が高度なので、
S台の(理系科目の)授業についていけるなら、もともと理系に強い可能性がある。
と、このように言われています。
ですから、その高度な授業についていける力、
もしくは、そこで折れない気持ちがあるならS台で、
もう少し噛み砕いた授業で学んだ方が理解しやすいということならK合塾で、
といった選択が必要になるわけです。
ここで大切なことは、自分のタイプに合った予備校を選んだ方が良いということです。
わからないことをわかるように、できないことをできるようにするために
予備校に通うのに、難しいことをやった方がいい!とばかりにS台を選んだ結果、
授業を理解できずに帰ってきたのでは、時間とお金の無駄です。
実際、K合塾から理系の難関大学に進学している人も山ほどいるわけですから、
K合塾がS台より劣っているわけではありません。
どちらの授業スタイルが自分の力になるかという判断です。
本当は、そういう意味では、S台やK合塾でなくてもいいのです。
予備校や塾は、世の中に溢れるくらいたくさんあります。
奇抜なCMで有名なMすず学苑も、通った人に聞くと評判が良かったりします。
しかし、問題なのは、
先のS台とK合塾の違いを、まだ大学受験をしたことのない受験生の側で
どこまで把握できるのかということでしょう。
まして、中学受験ともなると、通うのは小学生です。
小学生、しかも低学年の子には、塾による教え方の違いなど、
なかなかわかりませんよね。
それぞれの塾で、全く同じ単元の授業を受けることができれば、
授業の質を比較しやすいかもしれませんが、そういうわけにもいきません。
また、低学年のうちは、授業内容にそこまで困ることなくついていけるかもしれません。
ついていけていると尚更、ついていけなくなることなど想像もしませんね。
でも、わざわざ塾に通っているのに、その授業がわからなくて、
お父さんやお母さんが教える。あるいは、家庭教師や個別指導を併用する。
そういったことが後に増えてくるのも、中学受験ではよくある話です。
塾通いを始めたばかりのとき、慣れるまでの少しの間、
親が手助けするということは、あっていいと思います。
しかし、それがずっと続くようであれば、
そして、それを親ないし子ども自身が負担(あるいは苦痛)に感じるようであれば、
そのやり方やらせ方は見直した方がいいように思います。
もし、4年生時点で(塾の授業内容に対して)親のフォローがガッツリ必要だとしたら、
5年生はもっともっと必要になると思いますし、6年生ではもう回らないと思います。
目の前の(既出の)問題の答えや解法なら親が教えられても、
まだ見ぬ(入試)問題への対処法については、プロに任せた方が良いと思いますし、
それぞれの分野や単元を、どこまでの完成度にすれば良いかの判断も、
プロでないと難しいのではないかと思います。
どのみち、全てをカンペキにすることなどできません。
塾の先生としての役割は親御さんが請け負うものではなく、我々、塾の役割なのです。