この時期、ネットやSNSで、
「どこどこ塾の実績がすごい」だの、「たいしたことない」だのといった、
評価合戦が盛んになる。塾と塾との実績を勝手に比較して競わせる。
ときには、「あの実績では、あの塾はもう終わりだ」などと、
どこの誰だかわからない人が、経営を終わりと決めつけることもある。
まぁ、実績(=合格者の数)で、塾を選んだ人にとっては、
実績が下がってしまうことは死活問題なのかもしれないから、
それで不安になることもあるのかもしれない。
例えば、我が子を御三家に入れたい!と思い、
居住地域で最も合格者数の出ている塾を選んで入塾させたのに、
その塾の御三家の実績が下がったら…
本当にこの塾で大丈夫なの!?と考えてしまうのかもしれない。
もちろん、心の中で思うのは自由である。何を思おうとご自由にどうぞである。
だが、それを発信するのは、全く違う話だと思う。
どんなにすごく見える実績でも、全員が第一志望に合格しているわけではない。
華々しい実績が載っているだけで、悔しい思いをした子もきっといる。
また、そのとき、すごい実績と評価されるのは、えてして高偏差値帯の学校である。
評価者の興味がそこにしかないから、勝手にその他大勢にされる子がいる。
それは、高偏差値帯に受かった子の頑張りしか認めないような失礼な態度である。
その評価者は、塾を褒めたり貶めたりしたかっただけなのかもしれないけれど、
実績に対する評価は、言い方によっては、その塾に通っていた子を傷つけるのだ。
例えば御三家に合格させてくれると思って通わせた塾で、
合格が叶わなかっただけでなく、きちんと見てもらえていた実感もないような場合、
後悔と恨みとが合わさって、愚痴やら暴言やらを吐きたくなるのかもしれない。
だが、仮にそうだったとしても、色々、諸々の状況があることを考えたら、
不特定多数の目にするところに、そういうことは発信しない方がいいと思う。
そして本当は、仲の良い知り合いに対しても言わない方がいいと思う。
だって、そんな話を聞かされる方は、良い気分にならないから。