クラス分け①

塾のクラス(分け)は、普通、成績のみで決まる。
カリキュラムテスト、組み分けテストの結果で、
例えば、上位30人が一番上のクラスになり、次の30人が2番目のクラスになり…
のように、テストで取った点数、順位、偏差値でクラスが決まるのだと思う。

もちろん、サーパスでもテストの成績をクラス分けの基準の1つにする。
しかし、言い方を換えると、基準の1つでしかない。
ここは、他の一般的な塾とは大きく違うところである。

まず、テストの点数より日常の様子を重視している。
例えば、授業を聞けていないのに、ご家族のご協力により、
テストの点数だけ取れるというタイプについて。
このパターンは、月日を追うごとに、親子でどんどんと苦しくなることが多い。
良い点数を理由に上のクラスにおいてしまっても、
上のクラスであるがゆえに、理解しきれない授業内容がますます増える。
当然、ご家庭で解決しないといけない量も増えていく。
そのうちカリキュラムに追いつけなくなるが、授業を聞く練習を積まずに、
その場をしのいできてしまったことで、どうしていいかわからなくなる。
こういう不幸な結末が見えるのなら、しばらくテストの点数を気にせず、
クラスの上下も気にせず、まずは授業を聞けるように仕向けた方がいいと考える。

また、これとは真逆のパターンで、
授業中の様子には大きな問題もなく、むしろよくできている子でも、
例えば、算数のテストにおいて、大問の(1)で計算ミスをしたせいで、
そこから(2)(3)と全て間違えてしまうようなことはありえる。
入試はそれで不合格になることもあるので、
次から気を付けることを促すために、クラスを下げる意味もあるかもしれないが、
わざわざ1か月間クラスを下にしてまで、反省を促す必要はあるだろうか。
その1か月間の学習内容を考えたら、上のクラスにいさせながら、
見直し解き直しの徹底を促すことも可能だと思っている。

 

どちらにせよ、クラスが上じゃないといけない幻想で、
テストに妙なプレッシャーがかかり、
きちんと理解していないものを暗記やパターン学習で乗り切ったりしていると、
実力は安定してついていかない。そういう勉強法をとってしまうと、
勉強の本質から逸れてしまって、考える力はどんどんと奪われていく。
長い目で見たら、全く役に立たない。


ところで、クラスの上下をしきりに気にされる親御さんの中に、
「上のクラスじゃないと意味がない、下のクラスなら辞めさせる」
のような声掛けをされる方がいらっしゃる。
「偏差値が〇〇以下の学校なら…」という言葉と同様に、それだけになってしまうと、
上のクラスになれたとしても、差別意識を子どもに植え付けてしまう。

テストの点数や順位、クラスの上下を使っての指導は、楽であり安易である。
具体的な数字が出るので、ご家族もなんとなくの現在地が見える気がして、
声もかけやすいのだろうと思う。
だが、楽で安易なものには、やっぱり弊害があるのだと思う。