いろんな塾がある。
サーパスは、受験直前の1週間は、他学年の授業を一切やらずに、
受験生の指導に全精力を注ぐが、こんな塾は相当珍しいタイプの塾だと思う。
来年受験学年になる現5年生のご家庭からすれば、
2月の初週も合わせて、2週間も塾が休みになるわけだから、
不安の方が大きいかもしれない。
普通の塾は、この時期に他学年の授業をストップさせたりはしない。
むしろ、あとは入試を残すのみとなった現6年生の授業の方をストップして、
新学年の募集に注力する塾も多い。
塾だって生き残りをかけているわけだから、そのやり方に良いも悪いもない。
上でも書いたが、サーパスが珍しいタイプの塾なだけで、
ウチが正しいなどとは全く思っていない。
実際、塾通いを新たに検討される方は、この学年の切り替わり時期に、
資料を集めたり、足を運んで様子を確認したりしたいはずである。
にもかかわらず、年末年始になると募集を停止したり、体験を断ったりして、
自ら首を絞めるウチのような塾は、まぁ普通ではない。
だが、この時期だからこそ、強調しておきたいことがある。
そんな変わった塾に通ってしまったなら(苦笑)、
そこを信じてやり通した方がいい!ということである。
例えば、どこかから良いと聞いて新しく入手した参考書をやらせてみるとか、
過去問をもっと解かせた方がいいのではないか?と思って、
過去問ばかり家でやらせるとか…。こういうのは本当に危険である。
サーパスにお通いの方にしか伝わらない話で恐縮であるが、
ある学校の過去問をやらせる際に、例えば、2020年度の過去問をやった後、
次は2021年度だと思ったら、2022年に飛んだとか、もっと昔に戻った!とか、
そういうことがあったと思う。当然であるが、気まぐれで選んでいるわけではない。
入試の日に向けて、どんな順番でやらせたら最も伸びる可能性が高いか、
メンタルや調子を崩さずに済むか、わざとメンタルを揺さぶるならいつの時期か。
そんなことも考えて予定を立てている。
つまり、やらせない方がいいという判断をした年度の問題もあったり、
年度だけではなくて、あえて触れさせたくない問題もあったりするのだ。
特に、この直前期は、ほんの些細なことで、ボタンの掛け違いが起きる。
いろんな塾やいろんな情報の最大公約数を取ろうとして、
逆に不安になっていても意味がない。
もう1つ。サーパスであれば、1月31日まで授業もやるし、
入試期間中も塾を開けて、個別の質問に答えるスタイルでやっているから、
まだまだ伸びる!試験当日にも伸びる!試験期間中にも伸びる!と知っているが、
先に述べたような、もう6年生の授業をストップしている塾であれば、
おそらく、「ここからは体調管理優先!」と言うと思う。
(ここからが勝負だ!などと塾を開けずに言えるわけがない。)
もちろん、サーパスだって、体調優先なのは間違いない。
睡眠不足は最も避けなければならない。
だが、最も気合いの入っている今、最も吸収力の上がっている今、
真面目にやってきた子も、最近一生懸命になった子も(笑)、
一番伸びるこの時期に、勉強をセーブするというのは…よくわからない。
もちろん、焦らせないように!という気遣いからくる言葉かもしれないから、
先の言葉を否定はしないけれど、勉強って入試のためだけにするものじゃない。
直前期にやったことがテストに出る可能性が高いとか、そういうことでもない。
体調に気を付けつつも、最後の最後までやり切るという経験が、結果以上に価値を持つ。
結果の保証されていないものに挑もうとする子どもたちの姿勢が尊い。
僕はそう思っている。