できるようになる人と、できるようにならない人の差

勉強ができるようになる人と、今のままではできるようにならない人、
この仕事をやっていると、1回授業するだけでも
どちらのタイプなのかわかることが多い。
この話は、その時点ですでに成績がいいかどうか?を
1回の授業で見分けられるという話ではなくて、
今後、伸びていく可能性があるかどうか?を見極められるということである。

これは、未来予知のような怪しい話ではないし、実は難しいことでもない。
見極めの基準を聞けば、誰でもそりゃそうだ!と思うことだろう。

 

『今はまだ勉強が得意でなくても、いずれ間違いなく伸びる!』
という子に共通するのは、授業内容や雑談を面白がれることである。
逆に言えば、ブスッとして授業を受けている子や、
聞いているのか聞いていないのかわからないような姿勢の子や、
つまらない、興味無いと言わんばかりの態度(大きなあくびをしたり)を取る子は、
どんなに良い授業を受けたところで…ということだ。

 

こんなことを言うと、静かに黙々と授業に参加していてもいけないの?
という反論がありそうだけれど、静かに黙々と授業に参加していても、
授業内容や雑談を興味深そうに聞いているかどうかくらい、
この仕事をやっていればわかる。
(もちろん、静かに黙々とよりも、リアクションがあった方がいいとは思う。)
逆に、ある程度の経験値があれば、
聞いている風で本当は全く聞いていない、そういう子もわかるし、
授業内容や雑談を面白がっているようでいて、ただ、その流れに便乗して
自分の話したいことを話して騒ぎたいだけの子、というのもわかる。

(まぁ、この後者の2パターンには、経験の浅い先生がよく騙される。
あの子は、いつもウンウンうなずきながら授業に参加してくれているし、
「わかった?」って聞くと、「わかった!」って言ってくれるのに…、
あの子は積極的に発言もしてくれるし、授業を盛り上げてくれるんだけど…
なんで、成績が上がらないんだろう?と、首を傾げている。)

そしてもう1つ。子どもの興味を引き出すのも先生の仕事なんじゃないの?
と、こういう反論も予想できる。
もちろん、それについては、その通りでもあって、
僕らは僕らで精進するのだけれど、一方で、人にモノを教わるときに、
常に、「私の興味を引き出したまえ!」「おぬしにできるかな?」
などという態度でいることは、よろしくないと思う。
子どもであっても、どんなに興味のないことであっても、
他人(先生)や授業内容のせいにするのではなくて、
自分事として、自分にできることをやろうとする姿勢はあった方がいい。

 

興味を持とうとする。面白がる、
その姿勢があるだけで、できるようになる可能性が高くなる。
これは間違いない。