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13年間の思い

北京オリンピック以来、13年ぶりにオリンピック種目になった
女子ソフトボールにおいて、日本チームが連覇を達成した。
北京大会での「上野の413球」から、13年も経ったのかということにも驚くが、
あれから13年経ってなお、上野投手がチームの大黒柱として
活躍していることが、なによりものすごい。
監督が宇津木さんであることや、キャプテンが山田選手であることもあって、
時が止まったような、タイムスリップしたような、妙な感覚である。

しかし、それは、ソフトボールをこういう大きな大会でしか見ていない
第三者だから思うことであって、ソフトボールに携わり続けてきた方々からすれば、
13年は途方もない年月だったと思う。
プロ野球選手が引退する時の平均年齢は30歳手前で、
引退までの平均的な実働年数が8年くらいと聞いたことがあるが、
13年もあれば、数多くの選手が一線を退いていても不思議ではない。

また、プロ野球と違い、女子ソフトボールはアマチュア競技であるから、おそらく、
一部を除いては、そのスポーツをやっているだけでは十分な収入にならない。
せめてオリンピック種目にずっと残ってくれていれば、
金メダルを獲得した時の盛り上がりで、ファンが増えたり、
ソフトボールの競技人口が増えたりしたかもしれない。仮にそうなっていれば、
ソフトボールだけで「食べていける」可能性も増したかもしれない。
しかし、4年後のオリンピック種目から外れてしまうことが決まっていると、
せっかく優勝しても、マスコミが取り上げる機会もほとんどないので、
見る人の興味関心が薄れていく。

だから今回、開催地が日本であるということも加わって、
オリンピックにかけるソフトボール関係者の思いは、人一倍強いものだったと思う。
そして、それだからこそ、監督や選手のプレッシャーも相当だったと思う。
同様に、13年前に日本に負けて銀メダルになってしまった宿敵アメリカも、
ようやくリベンジのチャンスが巡ってきたわけなので、
かなり意気込んでいたことと思う。
こちらもあちらも、相当な覚悟で臨んだであろうオリンピックなのだ。

 

視聴者でしかない私たちは、日本の金メダルを勝手に期待して応援する。
そして、金メダルを取れた時には、褒め称え、感動をありがとう!などと言う。
一方で、金メダルに届かなかった時には、これまた勝手にガッカリしたり、
よく頑張った!金メダルだけが全てじゃない!などと知ったようなことを言う。
だが、スポーツの種類によっては、勝つか負けるかで、
日々の生活レベルがガラリと変わってしまう。
当然、お茶の間でテレビを見ながら一喜一憂しているレベルではない。
選手たちにとっては、まさに人生をかけた戦いだったのだ。

 

オリンピックが開催されたことで、例えば、ソフトボールにかけてきた人たちの、
10数年の練習の成果を発揮する場ができたことは間違いない。
もちろん、オリンピック開催の是々非々については思うところもあるのだが、
その思いは、アスリートの人たちに向けられるべきものではない。

 

ソフトボールの試合は、毎試合白熱していて面白かった。
決勝戦についても、1点目のヘッドスライディング、神がかり的なゲッツー、
最終回の上野投手の再登板、宇津木監督と上野選手の抱擁…
胸熱のシーンばかりだった。

ただひたすら、それだけに打ち込んできた人たちの思いが報われて良かった。