営業の仕事をやっていた頃、
表情が日に日に暗くなっていく同僚を、何度も、何人も、見た。
仕事がうまくいかなくて悩んでいたのだろう。
見るに見かねて、「大丈夫ですか?」「手伝いましょうか?」などと声をかけても、
「大丈夫です」「(自分で)やります」と返されたりするので、
僕も、周りの人も、何も手助けできないでいた。
ものすごい責任感で頑張っている人もいれば、
他人の手を煩わせてはいけないという気遣いの人もいるかもしれない。
ひょっとすると、自分のことしか信用していなくて、
人に助けを求めるという発想が無い人もいるかもしれない。
なんにせよ、周りの人は、その人がテンパって、ストレスを抱えて、
潰れてしまわないかと心配している。力になれるならなりたいと思っている。
こういう場面で、全部自分で抱え込んじゃう人は、
もうちょっとうまく人を頼れるようになった方がいいと思う。
もちろん、それができないから一人で抱え込んで悩んじゃうんだろうけれど…。
(さらには、頼れるようにと言っておきながら、依存されても困るので、
その塩梅も難しいかもしれないけれど。)
今は、(会社の中で)どちらかというと立場が下の方の人を例にしたが、
立場が違ったって、同じことは言える。
自分が上司なのだから、しっかりしなくてはならない!
部下に任せて失敗などされたら…
と、あれもこれも抱えてしまったら、その上司はいずれパンクする。
また、その上司がどんなに優秀だったとしても、
自分一人でできる仕事なんて、たかが知れているから、
その部署全体としては、たいした業績を上げられなかったり、
成長できなかったりする。
その上司の下にいる部下も、いつまでたっても成長できない。
上司も会社も、そして部下も、誰も得をしない。
同様に、勉強のヤル気はあるのに、自分だけではうまくやれない子なんかも、
先生をうまく頼れるようになった方がいい。
そして、子どもの勉強をフォローしようと一生懸命な親御さんも、
やっぱり抱え込まない方がいいと思う。
失敗する可能性も込みで、「任せる」、「信じる」、「頼る」方が、
長い人生を考えても、間違いなくいいと思う。