新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校が長期化したことから、
来春の都立(高校)入試の出題範囲が狭まることになった。
国語では、中3の教科書で学習する漢字、
数学では、三平方の定理、英語では関係代名詞…、
を入試問題に使用しないということらしい。
(私立高校では、例年通り出題されると思われる。)
おそらく、数々の教育関係者(主に塾関係者)が、
このことについて既に考察していることと思うけれど、いやぁ、ヒドイ。
例えば、三平方の定理を使えない問題なのか、使わなくても解ける問題なのか。
この違いは、大きな違いである。もし後者なら、使った方がきっと速く解ける。
すると、塾などで教わった人だけが得をする問題になってしまう。
塾で働く人間が言うのも変ではあるが、塾に通わないと教われない!
ということだと、今措置の意図(本質)から逸れてしまうのではないだろうか。
いや、それよりなにより、入試に出題されないのであれば
中学校の授業では扱わないという可能性が高くなりそうである。
入試後にでも、その単元の授業をしてくれるならまだいいが、
入試後にそんな重要な単元の授業に(生徒も教師も)身が入るのだろうか?
卒業式の練習もあるだろうし…ちゃんと授業するとは、とても考えにくい。
じゃぁ、高校に入ってからその授業をやってくれるか?といったら、
これまたどうだろう?
中高一貫校は前倒しで授業しているから、数ⅢCにも早めに取り掛かれるが、
公立高校では、高3になってようやく、その授業に入れるところが多いはずである。
それなのに、三平方の定理に割く時間の余裕はあるのだろうか。
入試後に「教科書(自分で)読んで、問題集やっといて!」
のような、投げっぱなしの課題になって終わりになったりすれば、
そっちの方がよっぽど悲惨だ。
三平方の定理は、まだどうにかできても、
関係代名詞を知らずに高校の英語を理解できるわけがない。
ますます塾頼みになるはずだ。
一方で、来年の(公立の)教科書から、中3の英語に
(これまでは高校の範囲だった)仮定法等が入ってくるという話も耳にした。
もし本当なら、現中3と、来年の中3の履修内容の差はとんでもないものになる。
みんな同じ条件だから…と言う人もいるかもしれないけれど、
毎年毎年、誰のための改革(変更)なのか、誰が得する改革(変更)なのか、
全然見えない改革(変更)が多くて困る。
振り回される子どもが可哀想だ。