江角「サーパスをどんな塾にしたい?」
加瀬「勉強が好きになる場所かな。」
佐野「そうそう。学ぶことが遊びになる。無理やりやるもんじゃない。
知るって楽しい。そんな感覚。」
江角「ミッシーは?」
三柴「Surpassという塾の名前の通り『超えて』いけるところにしたいです。
何かにぶつかった時に『逃げる』とか『避ける』とかではなくて。」
江角「でも『超える』のって口で言うほど簡単ではないよね。
どうしたら『超えられる』んだろう?僕らができることは何だろうね?」
加瀬「井上ひさしの言葉じゃない?むずかしいことをやさしく…って。」
(「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、
おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、
そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」)
佐野「易しくハイレベルにね。中学受験を終点にしない教え方も大事だね。」
加瀬「いつまでもよりどころとなる場所でもありたいね。江角先生はどうなの?」
江角「僕にとっては塾って原点なんですよ。自分も中学受験しましたけど、
あの時通っていた塾が違っていたら今の僕はないってくらいの。
あの塾だったから勉強が楽しいと思えたし、あの塾だったから頑張れた。
今でも僕が追い求める理想の塾です。そんな塾にしたいんですが、
これって突き詰めるとずばり先生の人間性に関わってくると思うんですよね。」
佐野「つまりは僕らも日々精進しないといけないってことだね。」
江角「そうです。そういうことになります。昔取った杵柄でもなければ、
小学生に勉強を教えるのなんて大人なら誰でもできるでしょ!ってことでもない。」
佐野「どの校舎でもどの先生でも同じ授業を聞けるってのも
1つの価値ではあるだろうけど、ただ毎年マニュアル通りに授業しててもねぇ。
授業を受ける子は毎年違うわけだから。」
加瀬「算数がプリント授業にこだわっているのも、そこだからね。」
江角「ホームページでも算数に強い塾をうたっています。
せっかくなので算数を教えるにあたってのこだわりを語ってもらっていいですか?」
加瀬「伝わるかわからないけど(笑)、例えば4年生の授業で、
面積が36㎠の正方形の周りの長さは?って問題を出した時に、
解き方を習ってなくてもパッと正方形の絵を描いて、
正方形の真ん中に36㎠って書いて、一辺の長さを□㎝にして、
□×□=36なんだなって自分で視覚的にわかるようにできる子は強いでしょ。」
江角「それは相当強いです(笑)。
この問題の答えを正解するかどうかなんてのは小さい話で、
そういうことのできる子は、すでに『考える』ことの下地ができてるんだと思います。」
加瀬「今は、初めてみる問題とかを前にすると、
解き方を説明されるまで待ってる子が増えたじゃない?」
江角「白紙のままで手が止まってる子や、
なんとなく36を2で割ったり4で割ったりする子が本当に多くなりました。」
加瀬「これをね、同じような問題を数多く解かせて、
解き方をもう暗記するくらいまでやらせるのが
多分今はどこの塾でも主流なんだろうけど、それって本当は違うよね。」
江角「えぇ。まして図も式も書いてなくて、
答えだけ合ってればマル!答えが違ってたらバツ!ってのは、
『考える』下地を作っていく指導とはまるで違うと思います。」
加瀬「それでサーパスでは図を描いて!式を書いて!って、
そこにこだわってやるわけだけど、それだって本当は、
言われてからやるのと自分から試してみたのとでは雲泥の差でしょ。」
江角「確かにそうですね。他よりマシなだけです。」
加瀬「だからまずは、問題を読んだ時に
その問題の意図するところを感じてもらえるようになって欲しいと思ってる。
どうやったらそれができるようになるかってのは本当に難しくて、
それこそ1パターンな正解なんてないけどさ。
でも、最初に話した子のようになっていけると強いのはわかってるわけだから、
目指す方向としてはそういう方向だよね。」
江角「今の子どもは本人の知らないうちに
あの手この手でパターン学習にはめ込まれてしまっていますから、
そこから抜け出すのは大変ですけど、でも抜け出すなら早いうちがいいですもんね。」
加瀬「社会に出てぶちあたる問題は初めてみる問題の可能性が高いわけだから、
パターン学習、指示待ちではいけないよね。これでうまくまとまったかな(笑)。」