大は小を兼ねる?

「大きい方をしたい時に、セットで小さい方をすることはできるけれど、
小さい方専用の場所で、大きい方をすることはできない!」
と、いたって真面目な口調で『大は小を兼ねる』の話を先生からされた中1の4月。
僕は男子校に通っていたので、こんなバカ話を授業中に聞くのは日常茶飯事。
バファリンは半分優しさでできているらしいが、
男子校は半分下ネタでできている(笑)。(この程度は、下ネタとも思われない。)
これで引いちゃう人は、男子校にはきっと合わない。
男(の多く)は、きっとずっとアホなのだ。

さて、表題の『大は小を兼ねる』。
元々の語源は、賢い人はそうでない人のフリができる(だったはず)で、
これは確かにそうだと思う。小は大にはなれない。
歌のうまい人は、わざと音程を外して歌うことができるし、
(元SMAPの中居君は、本当は結構歌がうまいらしい。)
サッカーのうまい人は、下手に見せることもできる。

だが、難しい問題、応用問題を勉強してさえいれば、基本問題を間違えなくなる!
なんてことも、
量だけ増やして、100問解けば、10問しか解いていない人より確実に力が着く!
なんてことも、ない!
ヒットの延長にホームランはあるのかもしれないが、
ホームランバッターが、ヒットならいつでも打てるというわけではない。

 

突然ここで問題!
「勉強時間のアンケートを40人から取って、その結果を円グラフにした時、
勉強時間が2時間の人を表すおうぎ形の中心角が144度でした。
勉強時間が2時間の人は何人いるでしょう?」

算数をそこそこ得意とする人なら、5秒とかからず答えを出せるだろう。
(以下、少々言葉足らずな説明となるが)
例えば、円とおうぎ形という授業をきちんと身に着けていれば、
144度という中心角から、5分の2という分数(割合)を導ける。
中心角が72度の時は、5分の1だったと(経験上)記憶している人なら、
144度はその2倍だと、すぐに気付けるかもしれない。
最後に、40×5分の2をして16人!と考えられれば、5秒ほどで答えは出せる。
また、144度は(360度を基準とすれば)40%だとわかる人なら3秒で答えが出せる。

この問題は応用という程のレベルではないが、すでに明確に差がつく問題である。
割合の基本を理解している子なら、ものの数秒で答えまでいきつくが、
そうでない子には、どこから手をつけていいかさえわからない問題である。
360分の144という分数にして考えられる子でも、
約分する時に2からしか始められないと(180分の72=90分の36=…)
とっても時間がかかる。

基本をちゃんとわかっているかどうか。基本の計算力があるかどうか。
基本と基本をいくつか組み合わせた先に応用がある。