4月5月は、多くの会社で新人研修をおこなっている。
それぞれの会社の上司や先輩社員が、
自分が本来やらなければならない日々の業務もありながら、
一旦それを脇において、新人の教育にあたる。
仕事をおぼえてもらうことももちろん必要だが、それ以前に
社会人としてのルールやマナーをおぼえてもらう必要がある。
(研修を担当する社員の)仕事量は増えて大変だけれども、
彼らを戦力に育て上げないと、会社が先々困ってしまうわけだから、
それを片手間でやるわけにはいかない。
一方で、研修をやってもらって当たり前だと思うのは間違っている。
苦労して獲得した知識や技能を、教わる姿勢のない他人に教える義理はない。
普通は、何か新しい知識や技能を身に着けたければ、
〇〇セミナーのような有料の講座に参加するのである。
それを無料で、むしろ給料をもらえるという状態で教われる。
こんな恵まれたことは普通ありえない。
だから、会社にまだ1ミリも貢献できていないのに給料がもらえることや、
上司や先輩の貴重な時間を奪っていることに対して、感謝や申し訳なさを感じて、
普通はそれ相応の姿勢で臨まなければならない。
だが、残念なことに、教わる姿勢の無い人がいる。
例えば、腕組みしながら話を聞いたり、話の途中であくびをしたりする。
それこそ、「研修めんどくせぇ!」なんて、陰で悪態ついているレベルまでいる。
じゃぁ、その新入社員たちは、その研修制度をバカにしているかというと、
実はそこまでのワルではなくて、ただ、どういう風に取り組めばいいか、
どういう風に考えればいいかの型を知らないだけだったりする。
2つ前1つ前のブログにも関連するが、この態度は、それまでの約20年間、
良くない態度や癖を野放しにされてきた結果なのである。
塾のような教育業界も、そういう姿勢を注意すれば、面倒なことになる可能性がある。
「その姿勢は、人の話を聞く態度ではない!」と注意したところで、
「こっちは金を払ってんだ!」「お客様だぞ!」なんてことになったら、
注意し損だ。逆ギレされるのはバカバカしい。
だから、普通はみんなそこに触れずに野放しにする。
でも、そのまま社会人になってしまったら…
会社でおこなわれていることは、案外シビアである。
研修担当の社員は、面倒だから自分では注意も指導もしないけれど、
かといって、そのままの姿勢で過ごされていいわけがないから、
問題のある新入社員については、ちゃんと上に報告する。
その結果、例えば全国転勤のある会社なら、有無を言わさず一旦地方に配属させる。
そこで鍛えてもらって成長したらラッキー。
成長しないなら、そのままそこにいてもらえばいいし、
嫌なら辞めてもらえばいい。と、こんなことも現実におこなわれている。
同期の中には、1年目から本社勤務の人もいるかもしれない。
「自分との違いはなんだ!?」
時には、「自分の方が仕事はできるはずだ!」
と、思うかもしれない。だが、その違いは自分ではなかなか気付けない。
気付けない上に、その年になるともう教えてももらえない。