東洋経済onlineに数学者の秋山仁先生の話が載っていた。
独特の風貌で、一度見たら忘れない秋山先生は、
(僕の年代にとっては)駿台予備校の先生であり、参考書の著者であり、
NHKで数学講座をやっていたという、
「数学と言えばこの人!」と言っても過言でない人である。
昔からさぞかし数学が得意だったのだろうと思われがちだが、
実際はそんなことはなかったと言っていて、
それどころか自分はバカだったと言うのであるが…。
ではなぜそんな人が数学者になれたかというと。
『「自分の目標にするものになりたい!」という気持ちが、原動力になるんです。
才能なんて要らないと思うし、それはほとんどの人にないと思います。
なにかやりたいことや、なりたいものがあれば、
努力次第で才能は開花して、自分の野望は成就すると私は思っています。
だから、野望というか志というのは非常に大事。』
と、ここまでは、割とたくさんの人が口にする言葉であるが、
ここからの話がとても興味深い。
『さらに、もうひとつ大事なことがあるんです。
それは「挫折や屈辱に耐える力」です。
努力を続けられる力があっても、常に努力が報われるとは限りません。
僕はやれば必ず上手くいくなんて甘いことは言いたくはない。
やっても上手くいかないことはいくらでもある。
でも、挫折したときや悔しい思いをしたときに、
歯を食いしばって、それでも努力を止めず、
むっくりと起き上がって、また一歩ずつ前進できなきゃいけない。
そういう力も必要なんです。
要するに、七転び八起きのできる精神力を持たなければいけないよね。
打たれ強くなくちゃいけない。
頭が良くて、それなりの才能があっても、
1回、2回の失敗でめげて諦めちゃう子もいるんです。
そういう子たちが諦めたおかげで、
僕みたいな学校では大したことのない人間が数学者になれたんです。
だから、ずっと続けていくことが大事だよね。』
http://toyokeizai.net/articles/-/119654
この言葉、とても深いと思う。