気持ちのあるシェフ

偶然ご縁があって知り合ったフレンチのシェフのお話です。

まだまだ若いシェフですが、ミシュランガイドで1つ星に認定されたほどの腕前です。

僕は彼の料理をとっても美味しいと思っていますが、

味の好みは人それぞれですし、僕などが味を語れることもないですから、

味についてはこれ以上書きません。

今日は、このシェフのお店に食べに行きたくなる、

味以外の理由を書こうと思います。

彼は、自分が使う素材が、どんな場所で、どんな想いで、

どのように育てられたのか、その目で確かめることから始めるシェフです。

生まれ育った地域の活性化に料理を通して貢献しようとしたり、

フランス料理店など無い田舎に行って、

現地の農作物を使って料理を作ってふるまったりする、

そんなナイスガイです。

僕の友人の知り合い(僕とは他人なのですが…)に、

乳製品アレルギーを持った人がいます。

今の医学では治せないということで、

お医者さんからは乳製品を全て止められているそうです。

その人の話を(友人が)このシェフにしましたら、

「やりましょう!」ということになりました。

フレンチはソースが命。

そしてそのソースには、ほぼ間違いなく乳製品が使われています。

ですからその(知り合いの)人は、

「もう一生フレンチなんて食べることなど無い」と思って生きていたわけなのですが、

このシェフはやってくれました。

乳製品を一切使わずに、フレンチを作ってしまったのです。

もちろん彼にも仕事がありますから、

そして採算も合わないのかもしれませんから、

こんなお願いを何度も聞くことはできないでしょうが、

こんなことをやってくれる熱を持った人なんです。

ふるまわれたフランス料理を食べ、感動し、感謝して涙したという話は、

(その場に自分は居合わせていなかったのですが)

後から聞いてもジーンときました。

もうけを出すためだかなんだかわかりませんが、

食品表示を偽装するようなところがニュースになっていますが、

こういう想いを込めて料理を作ってくれる人が、僕は好きです。