時間は本当に足りない?

サーパスの算数で出す課題は、大きく分けて2種類あって、
「終わらせないと帰れないもの」と、「終わらせなくても帰っていいもの」とがある。
後者の課題は、各自の(状況)判断で進めてもらえればいい課題である。
言い換えれば、「やった方がいい」課題ではあるが、
解釈によっては、「やらなくてもいい」課題である。

もちろん、子どもにその判断を委ねれば、楽な方に進んで、
「やらない!」という選択肢を取る可能性がある。
だから、大人はつい、強制的にでもやらせたいと考える。
「ウチの子は言われたことならやるけれど、言われないとやらない。
やってもやらなくてもいいと言われると、じゃぁやらなくていいってなるから、
やらなきゃダメだ!って、言ってやってください!」
と、こういう話になる。

その気持ちはよくわかるし、状況に応じて、強制的にでもやらせる必要はあるが、
もし、これを全く強制せず、「やった方がいい」と促すことさえせず、
ただただ様子を見守ることに徹したとしたら…
この時こそ、その子に合った学校が見えるかもしれない。

と、ちょっとイジワルなことを書いたけれど、
その日の授業で扱った問題の中に、
解き終わらなかった問題や、よくわからなかった問題があったのに、
その問題のことが全く気にならないタイプや、
とりあえず今日は帰って、『後で』復習しよう!
と、後回しにしてしまうタイプは、勉強のやり方がうまくない。
(授業終了時刻と同時に、先生の挨拶さえ待たずに、
いそいそと片づけを始めるような人は、もはや論外。)

勉強のやり方が上手な人、結果的に学力が高い人は、
こういう場面で、気がかりな問題だけでも…と、その場で終わらせてから帰る。
場合によっては質問するし、質問した後は、自分で手を動かしてもう一度解いてみる。
解ければ帰るし、納得できなければ、再度質問する。
明日、学校行事で早起きしなければならないとか、塾が終わったら、
すぐに帰ってすぐに寝ないと体力が持たない人は、この限りではないが、
このタイミングで(自ら)やる10分の勉強は、
後回しにした時の数時間分の勉強に相当するような気がしている。

時間が無い(足りない)!という人に限って、
こういう短い時間の使い方がうまくないと感じるのは、気のせいだろうか?