高校受験や大学受験を教えていた時の話ですが、
2分の1+3分の1=5分の2なんて答える子は、
中学生にも高校生にも、学年に何人もいました。
文系ですと名門私立大学に入学するようなレベルの子でも、
√2+√8=√10だっけ?なんてことを平気で言っていました。
(理数科目は捨てたそうです)
「最終学歴が大事だ」と言う人はたくさんいますから、
(数学や理科を捨てて)文系科目に特化して大学受験を乗り切るのは、
手段としてはアリなのかもしれませんが、なんだか寂しく思います。
中学高校が大学に行くための、あるいは社会に出るための
通過点でしかないのであれば、その通りかもしれませんが、
中学高校が人間形成に大きな意味を持つ時期であると考えれば、
その通りでは全くないと思います。
部活動や学校行事を通して得られるものももちろんのこと、
受験には出ないような勉強、一見何の役に立つのかわからないような調べ学習、
主要5科目以外の技能4科目…それら全てが、その人を創るのだと思います。
そういった「教養」こそが、人生においては大事なのではないかと思います。
また、現金な話にはなってしまいますが、
一見受験には関係ないように思えた「教養」を身につけた人の方が、
実は入試でも社会に出てからも強いように感じられます。
近頃では就職活動の際に、大学の学歴以外に
出身中学や出身高校を重視する企業も増えてきたと聞きます。
実際に経営コンサルタントの人事担当者に聞いた話では、
「最近は大学は正直どこでもいい。それよりはよっぽど中高を重視してるよ。
あるいは大学に入るにしても、どうやって入ったかまで最近は聞くね。
エスカレーター(付属)なのか、推薦なのか、一般(受験)なのか…」
本日、神奈川学園中学校の説明会を開いていただきました。
僕らが神奈川学園を信頼している理由は、
中学高校としての責任感を強く感じられるからです。
模試での位置づけ(偏差値)は決して高くありませんが、
問題を難しくして偏差値を上げてやろうとか、
最初から勉強の出来る子に来て欲しいとか、
そういうことに躍起になるのではなく、
入学した子をきちんと伸ばすことに一生懸命なのです。
入口の偏差値と出口(進学先)の偏差値を見ていただけば、それはわかりますが、
そういった数字に表れていないところにも先生達の想いが感じられます。
例えば指定校推薦やAOなどは、
生徒の数200人前後に対して350校程度来ているにも関わらず、
それを利用する子は20名ほどで、
自分の志望する大学・学部がなければ、
妥協せずに一般受験で勝負する空気があるというのも、
大学に受からせさえすればいいという考えではないということだと思います。
また、この偏差値帯の学校でありながら
GMARCH以上に合格者を多数出すには、
よっぽど勉強に特化した学校かと思いきや、
勉強以外のことにもしっかり力を入れています。
一言で言ってしまえば「真面目」な学校なのだと思いますが、
この「真面目」さに学校のポリシーを感じられたとしたら、
とても素敵な学校なのだと思います。