心理カウンセラーのお話

最近読んだ心理カウンセラーのお話。

登場人物は、中学校2年生の女の子。
成績は、学年の相当上位。部活も熱心にやっているし、友達も多い。
小さい頃から、自分で頑張れる手のかからない子だったと両親は言う。
しかし、ある日突然不登校になった。

色々調べた結果、学校でイジメはなかった。
学級崩壊など、そういう問題もなかった。
ご両親は真面目で落ち着いた性格。
厳しくしつけられたとか、過度なプレッシャーをかけられたとか、
そういうこともなかった。

では、なぜ?

その子の家族構成は、両親と祖母と、兄と弟。
兄はその年の4月、大学に入学して下宿を始めたが、
すなわち、その前の年までは、家族全員が兄の受験を応援する生活だった。
それは別に嫌ではなかった。
そして、兄の受験が終わった今、次は自分が一番大事にされるものと思っていた。
しかし、お母さんが次に大事にしたのは弟。
そう感じてしまったのが不登校の引き金だった。

カウンセラーの先生が、なぜそう感じたのかとたずねると、
例えば「ご飯のときに、弟の名前をまず呼んで、次に自分の名前が呼ばれる」
と、こういう答えが返ってきた。

 

え?それだけ?と、思うかもしれない。
中2にもなって、そんなことを気にするの!?と、思うかもしれない。
でも、中2になるまで、お兄ちゃんの次は私の番だから!と、我慢していたのだ。
だから、その気持ちが表面化したのが遅くなっただけ。
なのに、それを「お姉ちゃんなんだから!」とか、
「中2なんだから、自分のことくらい自分でやって!」と、はねのけたら、
この子の気持ちは高校生になっても大学生になっても満たされない。
たまたま不登校という形で表れたから、今回はその気持ちに気付けた。

 

ちなみに、カウンセラーの先生がお母さんにしたアドバイスは、
「名前を呼ぶ順番を変えてあげること。」
それだけで十分だったようだ。