切り替えが大事

宇都宮大学が2次試験をおこなわないという発表をした。
学部によっては、大学入学共通テストの結果だけで合否の判定をするという。
宇都宮大学を志望校として考えていなかった人や、
最初から国公立を目指していなかった人にとっては、
気にならないニュースかもしれないが、いやぁこれはヒドイ。

 

こういうニュースを見て、みんな同じ条件なんだからいいじゃんと言う人がいるが、
この問題点を流行りの〇〇プロジェクトを真似てたとえるなら、こうである。
1次審査は「歌」で、2次審査は「ダンス」だと発表されていたら、
ダンスの苦手な人は、歌の練習をしながらも、ダンスの練習を多めにしただろう。
歌が苦手でダンスが得意な人は、なんとか1次審査に通って、
ダンスで挽回しようと考えていただろう。

ところが、1次審査が終わった後になって、やっぱり2次審査はしません。
「歌」だけで合否を決めます!と言われたわけである。
このタイミングでの、この決定はヒドイ。(そう思わないですか!?)

一方で、そのプロジェクトに合格できるとは思っていなかったけれど、
「歌」だけは得意だから一応受けてみようか!
というような、全く踊れない人にも急にチャンスが巡ってくる。

受験生の努力を馬鹿にしていると思う。

 

ちなみに横浜国大が2次試験をおこなわないと発表したのは、昨年の夏のことだが、
この時も、僕個人としては、「ないわぁ~」と思っていた。

世の中には、早稲田や慶応に合格していたとしても、
どうしても国立に行きたい理由があって、浪人を選択する人がいる。
私立には合格できたが、横浜国大には届かなかったから、
(合格した私立には通わずに)浪人するのだが、
そこに届かなかった理由の1つには、
2次試験の対策まで含めると現役高校生では間に合わない、というものが挙げられる。
しかし、浪人することで、勉強時間が1年分増えるので、
そこで2次試験の対策も十分に取れる!
はずだったのだが、2次試験をおこなわないとなると、
話は少々変わってくるのではないか。そんなことを思っていた。

同様に、横浜国大に行きたい!とずっと思っていて、
例えば、高校1年生の時から、部活もやらずに
地道に勉強を続けていた子がいたとすれば、
その子も2次試験が無いと知っていたら、部活をやれたんじゃないか?
違う高校生活があったんじゃないか、そんなことを思っていた。

 

しかし、今日の時点では、
横浜国大は相当良心的で、先を見通していたのだと思うしかない。
夏の時点で、1次審査のみで合否を決めると発表されていれば、
準備のしようはあった。

 

何が起こるかわからないのが世の中だとか、
どう転んでも受かるだけの力をつけておけばいいだけとか、
圧倒的に力のある人はそう言うかもしれない。
そしてそれはきっと大人の世界では正しい。
でも、大人がここですべきことは、正論で子どもにダメ出しすることではないと思う。

まだこれからも新しい発表があるかもしれないけれど、
受験生は、うまく切り替えて、やってきた努力をいかんなく発揮して欲しい!