先生をからかったり、ときにはあからさまにバカにするような態度を取ったりする子は、
いつの時代にもいる。信頼関係があってのじゃれ合いならまだしも、
先生のことを下に見るような不遜な態度を取る子は、意識を改めた方がいい。
こういう子は、中学受験する子にも多い。子どもにも色々ストレスはあるだろうが、
(そしてその原因は、子どもにではなく周りの大人にあると本当は思うけれど)
塾でよりも学校でそういう態度を出す子たちは特に、
もういい加減、精神的に大人になろうとした方がいい。
確かに、偉そうな態度を取るだけの先生もいるかもしれない。
子どもよりも長く生きている分、知っていることが多いのは当たり前なのに、
それを過剰にひけらかされたり、知らないことをバカにされたりしたら、
「早く生まれただけのくせに」と思うかもしれない。
逆に、自分は知っていて、先生が知らないことを見つけたら、
「こんなことも知らないの?」と思うかもしれない。
また、道理に合わないルールを押し付けられたり、その日の気分で怒られたりすれば、
「お話ができない大人もいるんだな」と思うこともあるかもしれない。
だが、そういう先生ばかりではないはずだし、たとえそういう先生だったとしても、
(人のことを)下に見て軽んじていい理由にはならない。
仮に、目の前の先生のことを敬えなかったとしても、
思ったことを思ったまま口にするのは子どもである。そして、子どもだと言われて
「そうだよ!子どもだよ!当たり前じゃん!見てわからないの?」
などと居直るとしたら、子どもどころかク◯ガキである。
そういう態度を取ることが格好いいとか、ウケるとか、そう思っているなら、
大きな間違いだ。それを見て笑う子も含めて、ただただダサいだけである。
その子にとっては、敬えない先生であったとしても、その先生のおかげで、
力をつけた子、夢を持てた子、明るくなった子・・・がきっといる。
その子たちは、先生のことを信じて、または上手に頼って成長したのだと思う。
「打算的になれ!」などと言うつもりはないが、先生を軽んじても良いことはない。
ここでいう「良いことはない」とは、学力が上がらないという意味だけではなくて、
先生を軽んじるような言動を取ったときに、自分の品性を失うことも含めてである。
自分以外の誰かにとっては、その先生が、あるいはその教室が、
大切な場所かもしれないということを、ちょっとは想像できるようであってほしい。
こういうときに「みんな先生のこと嫌いだよ」と、
勝手に「みんな」の代表になった気分で発言するのもやめた方がいい。
そういうあなただって、「みんな」とか、「最近の若いもんは」などと言われて、
「勝手に一緒にされたくない!」と思ったことはあるはずだ。
あなたが気分や機嫌で怒る人のそばにいるとストレスを感じるように、
あなたの気分や機嫌で、誰かにとって大切な場所を踏みにじれば、
それをストレスに感じる人もいるということを忘れてはならない。
攻撃性の高い環境にいると、常に見えない不安を抱えることになる。
自分がターゲットにされたくないからと、誰か(先生)を攻撃していたら、
自分のやったことはいつか自分に返ってくる。
せっかく頑張って勉強して、賢くなったのに、
それを武器として人を傷つけるなんて、全くもって意味がわからない。
敬えない大人、かっこ悪い大人もいるとは思う。
でも、そのかっこ悪い人の仲間入りをしたらダメだろう。