と言いつつ、ご家庭として初めての中学受験の場合は特に、
何をどのように準備しておけばいいかわからないと思う。もっと言うと、
防災グッズのように、買い揃えておくだけで事足りる準備ではなくて、
状況によって、臨機応変に変えなければならない(正解やマニュアルのない)
適切な勉強内容、声掛け、心構え・・・などといったもの、
つまり入試の結果が出るまでどうなるかわからないものを、
様々なパターンで想定しておくという、かなり無理難題な準備である。
経験者の話を聞ければ、多少は準備のイメージもしやすいのかもしれないが、
ここで難しいのは、最終的に合格できた人の経験は、
ほとんど参考にならないというところである。
「行かせたい学校が2校しかなかったから、塾には抑えの学校を勧められたけど、
そこに合格できなかったら公立でいい!と思って入試に臨んだ。
でも、いざ不合格が続いて、落ち込んでいる我が子を見ていたら、
せめてどこかには合格させてあげたかった。」
「(偏差値的に)余裕を持って受かると思っていた学校に受からず、
慌てて申し込み可能な学校を探したけれど、過去問も解いたことないし・・・」
と、こういう話を聞けることは、なかなかない。
子どもはポジティブに勉強にしていればいい。
「どこも受からないかもしれない!」というような
不安が原動力となって頑張れる子は、今やもうだいぶ少ない。
だが、大人はネガティブなことを想定して、準備できるから大人なのだと思う。
(子どもが)受験で受からなかったことが失敗だとは全く思わないが、
できる準備を大人がしなかったことについては失敗だと僕は思う。
子どもは子ども自身でできることを、大人は大人にできることを準備してほしいと思う。
さて、ようやく本題に。
サーパスでは、入試が始まってから(2月1日以降)も、翌日の入試に向けて、
勉強内容の指示もするし、メンタルケアもする。
子どもに対してだけでなく、必要であれば親御さん相手にもする。
僕は、ここもサーパスの大きな特徴の1つだと思っているけれど、
変な話、初日に第一志望校に合格して、早々と受験を終えられた子(ご家庭)が、
このサポートを受けることはない。
このサポートは、初日に第一志望校に合格していないときだけ受けられる。
全員が一律に受けられるものではないので、パンフレットや入塾書類には載らない。
受験が長引いたときや、苦しいときだけのサポートであるが、
先にも述べたように、それをご家庭が望んだわけではないから、美談にもできない。
ただ、それでも、苦しいときに頼れるところがあるのとないのとは、
結構違うのではないかと思っている。