学生時代、海外に行くならどこに行きたい?と聞かれたときには、
「マック(マクドナルド)がない国(地域)」と答えていた。
マックがないことが重要というよりは、
マックがあるところは、僕にとって面白味に欠けるイメージだったのである。
食べるものに困ったり言葉が通じなかったりしたら、マックに行けばどうにかなる。
また、マックがある街なら、その道沿いに、知ったお店が他にもきっとある。
よく知ったコンビニさえあるかもしれない。
つまり、マックがあれば、街並みがある程度想像できてしまうし、
発展の仕方、過ごしやすさも想像できてしまうのが面白くないと思っていたのだ。
逆に言えば、言葉が通じないリスク、食べ物が合わないリスクがある国、
そこに生活している人たちの暮らしぶりが想像できない国
に魅力を感じていたのであるが、今や多くの国にマックが進出していて、
そういう部分では、心から行きたい!と思う国は段々と思いつかなくなっている。
国内の話をした方が小学生には伝わりやすいかもしれない。
例えば、新幹線で出かけて、降り立った駅前(地方の主要都市)は、
横浜の駅前とそんなに変わらない景色だったのではないだろうか。
駅ビルがあってスタバがあり、ユニクロがあったのではなかろうか。
もちろん、そこに住んでいる人たちにとって住みやすい方がいいに決まっているので、
スタバもユニクロも作るな!なんてメチャクチャなことを言うつもりはないけれど、
でも、わざわざ時間とお金をかけて出かけた先で、
地元横浜と同じ景色を見ることになるよりは、
その土地その土地の特徴を感じたいと思ったりはしないだろうか。
また、(旅の)目的地にどれだけスムーズに着けるかばかりがもてはやされる時代だ。
例えば、北海道新幹線が札幌まで伸びれば、便利だと感じる人も多いだろうけれど、
目的地に着くまでの時間や、道中で見える景色だって旅だろうし、
ただただ通過されるだけの駅(地域)に住んでいる人にとってみたら、
誰のための便利さか!ということにもなるだろう。
少々横道にそれるが、今年のコナンくんの映画『100万ドルの五稜星』の作中では、
函館の街並みや夜景が何度も描かれていたが、今現在の函館は、
もはや随分と廃れてしまっていて、夜景もあんなに明るくはないという。
実際、毎年4、5千人くらいずつ、人口が減少しているらしい。
まぁ、僕の感覚に全く賛同できない人もいると思う。
だけど、山形に行くなら、『峠の力餅』食べたいな。買えるかな?
と僕のように考える人もいるかもしれない。
あるいは、僕とも全く違った感覚の人もたくさんいると思う。