本日は、田園調布学園の説明会を開いていただきました。
田園調布学園は、前のブログで述べたような
一見、遠回りで地道な学習を大切にしています。
高校生になってからの学習体験旅行がその最たるものであると思いますが、
ほんの些細なところにも、学校の姿勢がうかがえます。
例えば、中学数学の導入時に教わるのは、ただの計算問題かもしれません。
そのとき、計算方法を教えて、そういうものだから覚えなさい!
繰り返し問題演習をしていればできるようになるから!
と、反復練習のみによって身に着けさせるという手法を取る学校もあります。
しかし、田園調布はそこからすでに違っています。
ほんの少し前に受けた(中学)入学試験では、
答えをいかに早く正確に出すかが最重要でしたが、
算数から数学になって、授業で教わる内容が段々と抽象化してくるときに、
答えを求めることだけに躍起になると、
理解の伴わない、解法だけをおぼえるような勉強法になってしまいます。
それでは、本当の力が着かないので、
できる限り、実感の伴った、腹落ちした理解を目指した授業をしているのです。
本日お越しいただいた細野先生は、広報担当という、
それだけで忙しく責任重大な役職に就いていらっしゃいますが、
その前に数学の先生でもあります。どういう授業を展開すれば、
生徒の理解が深まるか、数学を好きになるかを考えていらっしゃいます。
同時に、学校のありのままをお伝えしようとされているのですが、
これが当たり前のようで、実は当たり前ではないと言いますか、
ともすると、広報という立場では、生徒を集めるために、多少話を盛ったり、
大風呂敷を広げたりしがちなのですが、
入学後に、「聞いていた話と(実際の学校の中身が)違う!」
とならないよう、誠実に話をされていらっしゃいます。
田園調布学園は、一言、真面目な学校なのだと思います。
かつては、その真面目過ぎることが、
「~でなければならぬ」と融通の利かない印象に繋がっていましたが、
時代の変化と共に、だいぶソフトになったようです。
しかし、ソフトになったといっても、他の学校と比べれば、
やはり真面目な学校なのだと思います。
大学への進学実績を上げていかないと私学も生き残れない昨今ですが、
しかし、同時に、いわゆる優秀な大学への橋渡しとして、
試験で点数を取らせるためだけの指導をしたいとは思わない。
探求学習などに力を入れたい。
そう考える学校があることは、とてもありがたいと思います。