大学受験なら、私立に限定すれば、入試の実施期間が1ヵ月くらいあるので、
志望校の受験日が被ることは少ない。
受けたい学校、受けたい学部の試験を、あらかた受けることができる。
しかし、中学受験はそうはいかない。
東京と神奈川においての中学入試は、2/1~5日に受験日が集中しているから、
例えば、開成、麻布、武蔵の全てを受けたいと思ったとしても、
この3校の受験日はどれも2月1日なので、どれか1校しか受けられない。
また、たった5日間で入試が終わってしまうので、
受験スケジュールは厳しいものになる。
毎日入試を受け続けるのはもちろんのこと、午前中にテストを受けて、
午後にもテストを受けるということが、珍しくない。
一方で、その5日間、志望度の高い学校だけを受けるかというと、
なかなかそういうわけにもいかない。
行き先は確保したいわけなので、(表現としては好ましくないかもしれないが)
抑えの学校を受験する日を、その5日の中から作らなければいけない。
しかも、精神安定上、行き先は早い段階で確保した方がいい。
(セオリーでは、2月2日までに確保した方がいい。)
2月1日の午前中に第一志望校を受けて、その後に抑えの学校を受験する、
そういうスケジュールを組める人もいる。
逆に、抑えの学校に合格できてから、志望度の高い学校に向かっていく
そういうスケジュールでいく人もいる。
すでにお察しかもしれないが、後者は、抑えの学校に合格できない限り、
憧れの学校を受験できない可能性がある。
しかも、抑えの学校と憧れの学校の受験日が被っていて、受験できないこともある。
そして実は、中学受験では、この後者のパターンはとても多い。
もっと言うと、憧れの志望校受験を、
2月になる前に諦める(諦めさせられる)ケースも多い。
つまり、憧れの第一志望校を受験できるだけで、割と恵まれているというか、
中学受験する層の中では、希望がかなっている方とも言えるのだ。
サーパスでも、さすがに玉砕覚悟の受験を勧めはしない。
だが、玉砕はしないまでも、厳しいだろうなという見通しがたつ受験でも、
本気で憧れているのなら、一生に一度しかできない中学受験なのだから、
せめて受けられる状況にはしてあげたいと思う。そして、
合格に届かなかったとしても、自分の持てる力は出せた!やり切った!
と思えるくらいのところまではいかせてあげたいと思っている。
少なくとも、こちらの一存で憧れの志望校を諦めさせるなどということはしない。
それでサーパスが公表している第一志望合格率が下がったとしても、
そんなことはどうでもいい。取るに足らない細事である。
とにかく、子どもたちには、どこに合格できたかという結果だけではない
達成感を味わってほしいと思っている。
余談であるが、抑えの学校にすんなり合格できず、
第一志望校の受験自体ができなかった子もいる。
その子への申し訳なさもあって、サーパスの公表している第一志望合格率は、
面談等でうかがっていた第一志望校をもとに算出している。