高校受験
・高校が義務教育ではないので、受検で合格しないと、通える高校がない。
そのため、チャレンジ校しか受検しないような家庭がほぼ無い。
・(内申点を持ち点として)ほぼ全員が併願校を確保した上での受検となる。
・入試本番での得点に不安がある場合は、内申点が有利に働く公立高校を受検する。
・公立高校で出題される共通問題の質と、模試の問題の質とが似ているので、
模試での得点、偏差値、順位から、入試当日の結果を予想しやすい。
よって、模試の結果で合否を予想しやすく、進路指導がしやすい。
中学受験
・中学は義務教育(地元に公立がある)なので、強気の受験をする家庭が少なくない。
・東京・神奈川の受験は2月1日からスタートし、5日にはほぼ終わってしまうが、
志望度が上位になりがちな学校の受験日が、日程の前半に偏っているため、
併願校を確保してから、落ち着いて第一志望に挑むという作戦が取りにくい。
・各中学校の入試問題の質がそれぞれ全く違い、模試の質とも当然違うので、
模試の結果では、入試当日の予想が立たない。にもかかわらず、
高校受験塾と同様に、模試の結果でしか進路指導をしない塾、
あるいは進路指導自体がそもそも無い塾が多い。
・各中学校の入試問題が全く違う上、同じ中学校でも、年によって出題内容・難度に
大きな差があるので、進路面談のある塾でも、合否予想が難しい。
・身体的な成長、心の成長の面で、不安定な時期と重なる可能性が高いこともあり、
入試当日の体調やメンタルで、結果がぶれやすい。
そしてここからは、角が立つ可能性のある、扱いのナーバスな話を2つ挙げる。
1つ目は、中学受験をしたことのない方が、
中学受験塾における6年上位クラスの授業を聞くと、きっと驚かれると思う。
もし、入試が近づいた頃の(教室の)板書を見る機会があったら、
大学受験の時におぼえたやつだ!と思うこともあるに違いない。
中学受験に必要な勉強はそのくらい高度で、高校受験よりも難しいことが多い。
つまり、高校受験をする子より3学年も下の子たちが、
より難しい内容を学習して、それを理解していないと解けない入試が、
中学受験なのである。
そしてもう1つ。
高校受験では、親が子どもの勉強にほぼ関わっていないのに対して、
中学受験では、関わる親の方が多く、その差が大きく出るということである。
関わればいいとか、関わらないのは良くないとか、そういう単純な話でもない。
良い関わり方もあれば、逆にマイナスな関わり方もある。
関わらないことがプラスになる場合だってある。
極端な話、親が全く関わっていなければ、塾としては、子どもの実力を把握しやすい。
先生が自分自身の目で見ている生徒像が、ある意味では全てだからである。
だから、その子がどこの学校なら合格できて、どこの学校に届かないかがわかる。
だが、そうでない場合は、どこまでがその子の実力なのか、
それを把握するのは、なかなか難しい。
子どもの力に親の力が合わさった点数から予想した入試の合否は…
以上のような理由で、中学受験塾での全員合格達成は難しいのである。