模試の信憑性②

高校受験用の模試は、かなり価値のあるものだと思います。
実際の入試問題(特色検査を除く)と模試の問題が似ているからです。
大学受験でいうと、センター模試などは同じ理由で価値があったと思います。
しかし、中学受験においては、
模試の問題と実際の入試問題が似ていることは、ほぼありません。

余談ですが、たまにインターネット上で、
「浅野の入試問題は際立った特徴がないから、模試だけで(対策は)十分…」
のような文章を見かけます。
どの立ち位置の人が書いた文章なのかわかりませんが、
浅野を目指す方にとっては、対策無しで向かえる入試問題ではありません。

話を戻します。模試の問題と実際の入試の問題が似ていれば、
模試に向けての勉強が、志望校の入試問題への対策になりますし、
模試を受けることで、今の勉強の到達点をチェックできます。
これなら模試を受ける価値が大いにあります。
しかし、問題が全く似ていないのであれば、
限られた時間しかない中で、模試に割く時間や労力は、
別のところに回したくなりませんか。

 

例えば、男子最難関校でしか出題されないような、
ハイレベルな図形の問題が模試で出題されたとしましょう。
(これは、もののたとえではなく、実際に出題されます。)
その図形の問題は、そのレベルを目指している人には、いい練習になりますが、
それ以外の人には、ほとんど価値を持たない問題となります。
男子最難関校以外では、入試に出題されることのない問題ですし、
もし出題されてしまったとしても、解ける人が少なすぎて
合否を分ける問題にならないからです。
(解けるようになっても意味が無いということではありません。)

 

と、ここまで話しても、
「いや、だとしても、みんな同じ条件の中で模試を受けているのだから、
そこでの順位や偏差値には、信憑性があるだろう!」と言う人がいます。
しかし、同じ算数であったとしても、
男子最難関校と女子最難関校では、問題の質が違います。
男子最難関校と女子中堅校では、もう…全く違います。
それは、陸上競技という共通点はあっても、
幅跳びの選手に、高跳びを競わせるくらいに、
あるいは高跳びの選手に棒高跳びを競わせるくらいに異なるものです。
十種競技をやれてしまうくらいのスーパーマンには、意味があると思いますが、
やらなければいけないことの量に対して、時間が足りない!という人には、
だいぶ無茶な要求になってしまうと思います。