模試の信憑性①

中学受験において、模試の偏差値はアテにならない。
この話は、このブログの中でも再三お伝えしてきた話です。
しかし、大手塾がそう言うなら信じる!という方はいても、
サーパスがそう言うなら…という方は、普通いないと思います(苦笑)。

けれども残念ながら、大手塾は絶対にそんなことを言いません。
まず、模試は儲かりますからね。
そして、塾生以外の個人情報を手に入れる合法的な手段にもなります。
模試の結果を見て、募集活動(生徒の引き抜き)をおこなうことも可能です。
順位や偏差値を知りたくて、あるいはテスト慣れを目的に模試を受けたら、
塾の合格通知が届いた!なんてことは、よくある話です。
模試を受けただけで、合格実績にカウントされちゃうところまであります。

塾によっては、自塾のカリキュラムと模試の出題範囲を合わせます。
直前に重点的にやった単元からの出題だとさすがにあからさまですが、
それだって、他塾の生徒はわかりません。
カリキュラムに関係なく、毎回1問ずつやらせている単元からの出題など、
さりげなく対策を取ることもあります。

え?そんなことするの?と思う人もいるかもしれませんが、
A塾の模試で、A塾の生徒よりB塾の生徒の方が良い成績になれば、
A塾の沽券にかかわります。マウントポジションを取っておいて、
今の塾では受験で戦えませんよ!と不安を煽り、転塾を促す必要があるのです。

また、模試の結果で内部生(塾生)のクラス分けをおこなえるため、
ヤル気の無い生徒にわざわざ声をかける必要もありません。
点数が悪ければ、堂々とクラスを下げるだけですから、せいぜい
「復習しとけよ!今度の模試は大事だぞ!」で十分です。
大手塾にとって、模試はメリットだらけです。

しかし、そのメリットは子どもにとってのメリットではありません。
模試は、優秀な成績を取っている一部の生徒にとっては、
ある程度の信憑性を持ったものとなりますが、
それ以外の生徒にとっては、デメリットの方が多いかもしれません。