小5の壁(2019 春の広告 改ver)

1歳の壁、3歳の壁、小1の壁…と、
1つ壁を越えても、また次の壁が立ちふさがる状況に、
世のお母さんは戦々恐々としているかもしれない。

その、流行りのフレーズに乗っかるのは、少々癪ではあるが、
中学受験において、小学5年生の学習内容は確かに壁となりうる。
4年生まで成績上位にいた子の成績が、目に見えて下降しだしたり、
それまで楽しく塾に通っていた子が、
急に「できない」、「わからない」、「塾に行きたくない」と言い出したりするのが、
『小5の壁』である。

算数を例に挙げると、その時期からの学習内容では、
「具象思考」から徐々に「抽象思考」に移行する必要がある。
この時、それまで算数を何度も何度も反復することで、
解法のパターンを暗記してきたような、いわゆる真面目な子の中に
その抽象思考に移れず、つまずく子が現れる。

その状況をなんとかしようという時に、
量をこなさせれば、できるようになると考える人は多いが、
ただの努力不足の子の場合を除けば、逆効果になることの方が多い。
壁にぶつかった子に、もっと量をやらせることで、その後持ち直した例は経験上少ない。
(無いと言い切ってもいいくらいである。)
つまずいた理由は、理解の伴っていないパターン化にある。
理解しないままに量をやらせれば、やればやるほど、負の連鎖に陥ることが多いのだ。

間近に迫った夏休みに、遅れてしまった分を取り戻そうと、
量をやらせる計画を立てている方はいないだろうか。

いつか良くなると、根拠のないことを願って量をやらせるより、打つべき手がある。