佐藤義則コーチの目

プロ野球の楽天が26日、球団創設9年目で初のリーグ優勝を決めた。

今年から加入したジョーンズとマギーのもたらした打線の安定感と、

マー君こと田中将大投手の驚異の活躍が、

素人目にもわかる初優勝の主たる要因だろう。

その楽天の投手コーチを務める佐藤義則コーチの特集が、

NHKの「プロフェッショナル」という番組で、

今年に入ってから2回も取り上げられていた。

佐藤コーチは、日本ハムでダルビッシュ(現在は大リーガー)の指導をし、

その後2008年に楽天に仕事場を移すのだが、

その際にダルビッシュ投手が田中投手に

「ヨシさん(佐藤コーチ)のいうことは間違いない」と言ったというくらいの名コーチである。

番組内で紹介されていた佐藤コーチの指導の中で1番共感できたのは、

『各投手のピッチングを誰よりも見ている、という強い自負がある。』

という言葉である。

投手を見る『目』。これは「誰にも負けない」ともおっしゃっていた。

教え方のうまい下手が大前提にあるけれど、

教える方も人間なら教えられる方も人間なのだから、

やっぱりこの見る『目』があるかどうかは、とても重要な要素だと確信できる。

今目の前にいる人と向き合っているのか、

それとも何か他のことに気をとられているのか、

そういった差は確実にある。

上司の顔色をうかがったり、(選手のことを考えずに)自分の評価ばかりを考えたり、

誰にでも嘘をついていい顔をしたり…そういうことではなく、

目の前の選手の一挙手一投足を見逃さないよう、言動の変化に気づけるよう、

人と真剣に向き合ってこその「プロフェッショナル」なのだと言えるのだろう。