秋になり、面談やお問い合わせ等で模試の話をよく聞かれるようになりました。
ただ、皆様にお伝えしているのですが、
サーパスでは模試をあまり重視してはいません。
もちろん入試本番は、通い慣れた場所で
見慣れたメンバーの隣でテストを受けられるわけではないですから、
見知らぬ会場で全く知らない人たちと共にテストを受ける経験は必要でしょう。
また、塾にはそれぞれ個性や癖がありますから、
サーパスではない塾が作成した問題にも対応できる力があるかどうかで、
基本的な力の定着度・理解度を見ることができます。
そういった部分での効果は間違いなくありますから、
さすがに模試を受けなくていいという指導はしていませんが、
ここでの得点や偏差値で○○中学への合格の可能性を割り出す
ようなことはしていません。
そういうわけで、首都圏模試または四谷、あるいは日能研かSAPIXのうち
いずれか1つを選んで、各月ごとに1回ずつ受けていただけば十分です
とお伝えしています。
こういう言い方をすると語弊があるかもしれませんが、
模試を受けさせたがる方がいます。
「井の中の蛙になられても困る。もっと大きな集団の中での自分の位置を知って、
もっとやらないとマズイと思って欲しい!」
というようなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。
気持ちはとてもよくわかります。
ただ、例えばその模試で上には上がいることを知って
「悔しい!」とか「今までの自分は甘かった!」と思える子は、
その時点ですでに優秀なのです。1度や2度の模試でも十分気づけるのです。
結局、模試を数多く受けても、
ただ漫然と受けているだけになってしまう子の方が多いように思います。
結果が良ければ褒められる可能性もありますが、
浮かれられても困るとアラを探されることもありますし、
結果が悪ければ叱られたりため息をつかれたりして、
子どもにしてみれば望んでいない模試を受けさせられることには
リスクしかありません(笑)。
また、もちろん入試は結果でしか合否を判断されませんが、
かといって結果、すなわち点数だけを評価するようになってしまうと、
カンニングをしてでも点数を上げたいと思う子さえ出てきます
(サーパスにこういう子がいるという話ではありません)。
我が子が何点取れるのか。偏差値はいくつなのか。
受験生の中で何番目くらいに位置するのか。
そういった情報を把握しておきたいという気持ちは、もちろんわかります。
マズイ状況であると知っていたなら打てる手もあったのに…
と後悔しないためにも、現状を把握しておいて欲しいと思っています。
ただ1点、それは模試を数多く受けることで解決されることではないと思います。
むしろ数多く受けることで、そして数多く叱られてしまうことで、
1つ1つの価値が却って薄まってしまって、
逆に気づきが生まれなくなるように思います。
アウトプットの練習はもちろん必要ですが、
点数を取れない一番の理由はインプットの問題です。
朝からたくさんの勉強時間が取れる日曜日を、
模試に行ったことで勉強した気にさせて終わってしまうのは
もったいないと思います。
課題は人それぞれ。もっともっと有意義な日曜日にできるはずです。